2016 Fiscal Year Annual Research Report
Electrolysis method with no supporting electrolyte at two closely adjacent parallel electrodes in a thin layer cell using chemically modified porous glass
Project/Area Number |
26870231
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西海 豊彦 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (10377476)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 支持塩無し電気化学測定 / 微小電極 / 1段階2電子移動反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
純水を100 μm以下の近距離に配置した2電極で電解すると、支持塩が無くても、水を電解でき、さらに純粋なオゾン水が生成出来ることを確認出来た。水のイオン積濃度を超え、電極表面に生起する水素イオンと、ヒドロキシイオンが電荷担体として働き確認だすためである。支持塩を含まない電解生成が実現出来れば、電極生成物は、極めて純粋になり、産業上応用価値が高いと考えられる。 支持塩を加えない純水は18.3 MΩ・cmの高い抵抗値を持ち、ほとんど電気を通さないため、電解反応できないと考えられてきた。しかし、極端に高い電圧を印加するか、電極間隔を近づければ電気が流れ電気分解反応が起こるはずである。前者は高電圧でも分解しない安定な電解電極が存在せず実現できない。そこで、本研究では、後者を採用し、ピエゾステージを用いて白金電極間距離を厳密制御し、100 μm以下にどんどん近づけていくことで、実際にファラデー電流が流れ、水が電気分解することを確認した。ファラデー電流の立ち上がりは、電流値の対数を取って分析すると、電位差1.23 Vであり、過電圧無く、水の熱力学的分解電位と良く一致することが分かった。 電極を近距離に配置するだけで無く、微小電極を用いれば、高い抵抗率を持つ溶媒中でも電気化学測定が可能であることが知られている。最終年度に実施した研究の成果として、直径400 nm以下のガラス封入白金円盤微小電極の自動作成を目指したガラス削り出し装置を開発した。また、2電子同時移動する新規な有機分子を合成し、支持塩を有する条件では、1段階2電子移動反応することを確認した。今後、支持塩無し条件での電気化学測定を予定している。
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