2014 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質アストロサイトCa2+オシレーションの発達期脳内環境変化への対応
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26870256
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
武藤 弘樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60443040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アストロサイト / カルシウムシグナル / オシレーション / 発達期 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経細胞とグリア細胞の間に相互情報伝達機能が存在し、グリア細胞が支持細胞としての機能だけではなく脳機能発現に関与することが示唆されている。特に、アストロサイトは細胞内Ca2+シグナルによってグリオトランスミッターを放出し神経細胞の制御を行い、また神経突起成長に必要な因子の発現も制御することが報告されている。さらにアストロサイトは、神経活動に依存しない自発的なCa2+オシレーションも報告されているが、その生理的意義や脳の発達過程における役割など詳細はいまだ解明されていない。本研究は、大脳皮質の発達期におけるアストロサイトの自発的なCa2+オシレーションを制御するメカニズムと脳発達過程との関連を明らかにする。 アストロサイト特異的なCa2+オシレーションを測定するためGFAPプロモーターにより発現が誘導されるgenetically encoded calcium indicators (GCaMPまたはRCaMP)のプラスミドDNAを作製した。また、神経細胞とアストロサイトの活動を同時に観察するためにCAGプロモーターにより発現が誘導されるGCaMPまたはRCaMPの作製も行った。培養細胞を用いた確認実験では、プラスミドDNAが導入されたことによりGCaMPまたはRCaMPが発現し、細胞内Ca2+濃度変化に伴う蛍光強度変化が確認できた。 現在、胎仔期電気穿孔法により作製したプラスミドDNAの大脳皮質への導入し、神経細胞とアストロサイトでの発現または機能確認を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他大学から譲渡されたプラスミドDNAを用いたことにより、制限酵素サイトや塩基配列の再確認などで目的のプラスミドDNAの作製に予定以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
目的のプラスミドDNA作製に予定以上の時間を要したが、培養細胞レベルで正確に機能するプラスミドDNAが作成できた。 今後の予定としては、作製したプラスミドDNAを胎仔期電気穿孔法を用いマウス大脳皮質のアストロサイトまたは神経細胞にGCaMP/RCaMPを発現させ、さまざまな発達段階にあるアストロサイトのCa2+の記録・解析を行う。また、神経細胞からCa2+シグナルも同時に記録することにより脳発達におけるアストロサイトと神経細胞の相互関係を調べる。
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Causes of Carryover |
当初予定していたプラスミドDNA作製の期間が長引いたため、マウス脳スライス標本やin vivo実験への移行が遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画書に予定下通り脳スライス標本やin vivo実験に用いる実験機材の購入を検討している
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