2014 Fiscal Year Research-status Report
3次元領域における境界要素法の高速直接解法の開発と最適設計問題への応用
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26870269
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯盛 浩司 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50638773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高速直接解法 / 境界要素法 / トポロジー最適化 / 波動問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、三次元Laplace方程式の境界値問題に対し、部分行列を用いた低ランク近似手法であるInterpolative decomposition (ID)を用いた高速直接解法の実装を行った。しかしながら、二次元問題と比較して部分行列のランクが大きくなることに起因し、十分な計算効率を達成することが難しいことが判明した。そこで、三次元Helmholtz方程式の境界値問題に対し、高速多重極法とIDを併用した高速直接解法の実装を行った。前年度に開発した高速多重極法のみに依る高速直接解法は記憶容量の観点から実用的でなかったが、IDを併用して高速多重極法の各種オペレータを圧縮することにより、必要記憶容量を削減することに成功した。また、並行して二次元問題に対する本手法の実装も行い、本手法の基本性能に関する知見を蓄積した。二次元問題、三次元問題ともに、数十万自由度程度までの規模の問題は実用に耐えうる計算時間・容量で解析可能であることが結論された。
次に、種々の散乱体の湧き出しに関するトポロジー感度の導出を行い、トポロジー最適設計ソフトウェアに実装した。これまでに取り扱ってきたNeumann境界を有する散乱体に加え、インピーダンス境界を有する散乱体の最適設計が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IDを用いた高速直接境界要素法のパフォーマンスが期待通りのものではなかったが、高速多重極法とIDを併用した手法を用いて一定の成果を得たと判断する。また、種々の散乱体の最適設計のためのトポロジー最適化の拡張に関しても当初の予定通り成果を得ることができた。以上から、上記の評価としたが、高速直接解法のトポロジー最適化ソフトウェアへの実装は本年度中に着手できなかったため、それ以上の評価とはしなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は高速直接解法をトポロジー最適化ソフトウェアへ実装し、種々の波動デバイスのトポロジー最適化を実行する予定である。また、並行して高速直接解法のパフォーマンスを向上させる基礎研究も継続する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度において未使用学が60787円あるが、導入した計算サーバが安価になったことに依る。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度行う予定である最適設計においては大規模問題を取り扱うことになると思われる。そこで、当該研究費は導入した計算サーバに追加で搭載するメモリの購入に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)