2016 Fiscal Year Research-status Report
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26870270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋本 健二 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (90548447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 問合せ保存 / 木変換器 / 木オートマトン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、変換が非線形トップダウン木変換器で表現される場合における、問合せ保存性の決定可能な十分条件について検討を行った。非線形トップダウン木変換器で表現されるような変換のクラスを対象とする場合、変換前データに対する問合せ結果を変換後のデータから復元する関数が存在するかの判定問題は決定不能であることが知られている。しかし、木構造データの変換ではデータの抽出だけなくそれらを目的に応じて整形することが想定されるが、変換途中で複製を許さない線形なトップダウン木変換器ではそのような変換を表現する能力が十分とはいえない。そこで、部分的に複製を許すような非線形トップダウン木変換のあるサブクラスを変換の対象クラスに設定し、問合せ保存性の決定可能な十分条件を提案した。具体的には、決定性トップダウン木変換器で表現される変換Vに対して、Vの逆変換の近似V'を非決定性線形トップダウン木変換器(NLTT)で表現できるための十分条件を与えた。ここでいう逆変換の近似V'は、定義域をVの値域に限定した場合に Vの逆変換と一致するものを想定している。そして、その逆変換の近似がNLTTで表現できるための十分条件が、複製の回数が制限されたトップダウン木変換器のクラスにおいて決定可能であることを示した。逆変換の近似がNLTTで表現される場合は、線形な木変換器に関する問合せ保存性の判定手法を利用することにより問合せ保存性を判定できることを示した。 その他、木オートマトン・木変換器に関する国際ワークショップTTATTにて、問合せ保存性に関する昨年度までの成果について招待講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度予定していた1つの成果として、変換が非線形トップダウン木変換器で表現される場合における問合せ保存性の決定可能な十分条件を与えることができた。しかしながら、その成果及び、問合せ保存の判定に深く関連する木変換器の関数性判定に関する成果など、本年度中には国際会議発表あるいは論文誌への投稿までもっていけなかったものがある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた成果を整理し、国際会議発表あるいは論文誌への投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に、問合せ保存性の判定に関わる木変換器の関数性判定についての成果をまとめて、国際会議あるいは電子情報通信学会学会誌への投稿を予定していた。しかし、結果の正しさの証明の見直しや推敲に想定以上に時間を要したため、年度内にその作業を完了しかつ発表・投稿まで行うのは難しい状況であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度中に会議での発表あるいは論文投稿・掲載まで行えるようにし、未使用額についてはそれらの経費に充てることを予定している。
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Research Products
(3 results)