2016 Fiscal Year Annual Research Report
A confirmatory approach to examining discourse characteristics of "Japanese English" as an international language: Corpus-based analysis
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26870277
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
藤原 康弘 名城大学, 外国語学部, 准教授 (90583427)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際英語 / 「日本英語」 / コーパス / 談話的特徴 / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、日本人英語使用者コーパス(JUCE, 藤原, 2014)等を活用し、国際英語としての「日本英語」の談話的特徴の多層的な追検証を行うことであった。この研究期間においてはとりわけ「内容語依存」、すなわち日本人英語使用者は内容語に依存し、英語母語話者ほど機能語を用いない特徴と、「定型性」、すなわち同じ語をある程度繰り返し使用する傾向の2つに焦点を当てて、研究を行った。
まずアジア人の英語使用者コーパスであるAsian Corpus of English(ACE)の一部のデータを質的に分析し、同名詞の反復使用の傾向が一定程度伺える調査結果を得た(Fujiwra, 2014)。次にこのJUCEの分析によって得られた結果を、日本人以外の学習者コーパスや使用者データを利用して、量的かつ質的に分析を行った。その結果、この「内容語依存」や「定型性」の特徴が、日本人の言語特徴を表しているのみならず、第二言語使用者全体に同定し得る特徴でもある可能性が示唆された(Fujiwara, 2016)。本研究の内容はさらに掘り下げられ、2017年6月、フィンランドで開催される国際学会、10th Anniversary Conference of English as a Lingua Francaで発表される予定である。
これらの「内容語依存」や「定型性」が日本人英語使用者のみならず、世界の多くの英語の第二言語使用者に共通する特徴であるならば、現在の母語話者依存の英語教育へ一石を投じることができる。つまりこのような記述的研究を蓄積することにより、「国際共通語としての英語」(English as a Lingua Franca)のコミュニケーションに資する一方、現状の無理に英語母語話者の鋳型にはめる単一言語話者ベースの英語教育から、二言語併用者ベースの英語教育への転換を図ることができる。
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Research Products
(4 results)