2016 Fiscal Year Research-status Report
私企業リンケージ型酪農生産システムの多角化戦略と可能性
Project/Area Number |
26870299
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長命 洋佑 九州大学, 農学研究院, 助教 (10635965)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 酪農生産システム / 内モンゴル / 牛乳消費 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国内モンゴル自治区(以下、内モンゴル)において、近年増加している乳業メーカーと個別酪農経営との契約生産による新たな生産システムに着目し、多角的な事業展開の可能性および乳製品消費の課題と将来展望を明らかにすることである。 2016年度は、以下の2点の研究を実施した。 第一に、昨年度まで継続してきた内モンゴルにおける酪農生産システムの現状について、聞き取り調査を実施した。その結果、大手乳業メーカーでは、大規模牧場への集約化を進めており、そのスピードが加速度的に早まっていることを明らかにした。この結果は、内モンゴルにおける小規模零細農家を淘汰する意味合いも含んでおり、今後、注目していく必要性が示唆された。 第二に、牛乳の安全性・リスクに対する意識について内モンゴルの大学生を対象に意識調査を行った。分析の結果、以下の3点が明らかとなった。第一に、牛乳購入に対する意識として、6割以上の学生で「やや不安である・かなり不安である」と回答しており、依然として牛乳消費に対する不信感が高いことが明らかとなった。第二に、牛乳購入時において重視する項目としては、「製造年月日・消費期限」および「健康」を重視していることが明らかとなった。第三に、幼少期より牛乳を消費していた学生、認証表示を重視している学生において牛乳の購入頻度が高かった。この結果より、幼少期に牛乳の飲用を促すとともに、牛乳の品質や安全性を担保するような認証表示の理解・普及が進めば、牛乳消費の継続性が図れる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、最終年度に成果をまとめ書籍を出版する予定であったが、昨年度までの基礎調査より様々なデータを取集することができたため、予定より早く書籍を出版することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度までまとめた研究成果を基に、成果報告を行い、国内外の研究者から様々な批判をいただきたい。また、それらの議論を通じて、新たな研究課題の深化を図りたい。
|
Causes of Carryover |
アンケート調査の入力の補助を予定していたが、自分で入力したため、使用額が下回った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果に関わる成果報告に使用する。
|