2017 Fiscal Year Annual Research Report
Diversification Strategy and Possibility in the Private-Enterprise-Linkage Type of Dairy Production system
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26870299
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長命 洋佑 九州大学, 農学研究院, 助教 (10635965)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内モンゴル / 酪農生産 / 酪農経営 / 貧困対策 / クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国内モンゴル自治区(以下、内モンゴル)において、近年増加している乳業メーカーと個別酪農経営との契約生産による新たな生産システムに着目し、多角的な事業展開の可能性および乳製品消費の課題と将来展望を明らかにすることである。 2017年度は、以下の3点の研究を実施し、総まとめを行った。 第一に、昨年度末に出版した書籍の検討を内モンゴルの研究者とメール等を使用し、検討を行った。昨年度以上に、大手乳業メーカーでは、大規模牧場への集約化を進めており、そのスピードが加速度的に早まっていることが明らかとなった。 第二に、最終成果報告も含め現地での検討会およびミニシンポジウム(研究会)を開催した。昨年からの酪農経営の飼養状況の変化として、乳牛の価格が大幅に下落していることが明らかとなった。また、中小・零細の経営では、日乳量が相対的に低いため、乳業メーカーとの取り引きが劣悪な環境下にさらされていることが明らかとなり、昨年示唆していた状況よりも悪化していることが明らかとなった。その一方で、近年では、乳牛ではなく、肉用牛の肥育への動きが見れれること、さらには、ドバイや香港への輸出を行うメーカーが出現してきていることが明らかとなった。また、企業的な経営として、羊の多面的利用(衣服から薬用、食肉など)が活発に行われてきていること、ラクダや馬へも事業展開が図られていることも明らかとなった。 最後に、これまでの研究を通じて、国内への技術移転(食品産業クラスター形成)の可能性を検討するために、平成29年度日本農業経営学会研究大会 地域シンポジウム「都市近郊農業における多様な事業展開と新たな挑戦―糸島の「食」と「農」の連携と将来展望―」を開催した。そこでは、特に内モンゴルにおける酪農生産を取り巻くクラスター形成の日本輸入の可能性を検討した。
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