2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870316
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾高 悠志 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30700356)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | トロピカル幾何学 / ミラー対称性 / 非アルキメデス幾何 / Donaldson-二木不変量 / K安定性 / Kahler-Einstein計量 / ファノ多様体 / モジュライ空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度発表した研究プレプリントは3本である.まず、我々のKモジュライ理論に利用したグロモフハウスドルフ極限の考え方が、幾何的ミラー対称性の文脈で本質的に変更された意味で利用されているのに着目して、それにそって従来の代数多様体のモジュライ空間のトロピカル幾何的コンパクト化を導入し、古典的な場合に調べた.2本目は二木不変料の拡張の理論であり、非アルキメデス幾何的視点ももちこんで二木不変量と満渕汎関数の関係をそちらの観点から記述し直した.そして3本目は念願のKモジュライ理論を粗い意味でファノ多様体の場合に完成させたものである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目指していたファノ多様体のKモジュライが研究計画の通り、1年目以内に完成したのは大きな節目である.特にその過程でケーラーアインシュタイン計量の局所的な変形理論がおおまかな意味で完成された.ちなみにファノ多様体のK安定性判定問題は藤田健人氏との議論で、藤田君が論文を書いたが、その議論も有意義であった.同時にトロピカル幾何学的コンパクト化や二木不変量の新たな方向への拡張といった新しい方向性も得た.
|
Strategy for Future Research Activity |
2010年頃提唱したK-モジュライ予想・プログラムは、上述の通り順調に進展しているが、これは長期的なものなのでおしすすめる.一方で昨年度導入したトロピカル幾何学的コンパクト化の応用も模索したい.そして関連するK安定性の基礎理論を更に押し進めたい.
|
Causes of Carryover |
今年度(現在4月中旬)も専門書の購入,セミナーの運営のための招待費用,そして既に決定している海外出張のため,多くの費用が必要であり,それは昨年度使用しなかった分の費用では全く足りない.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の通りでもあるが,多くの分野と関わる研究をしているため,専門書の購入,セミナー運営のための費用,海外出張のための費用(特に秋にアメリカのストーニーブルック大学サイモンズセンターでの研究集会のオーガナイズに携わっており,そちらへの出張が一定期間決まっている)に用いる予定である.
|
Research Products
(8 results)