2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the effects of the circadian rhythms changes on photosynthesis and yield components
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26870319
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 大樹 京都大学, 農学研究科, 助教 (10536238)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概日リズム / 光合成 / 出穂期 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日リズムは、24時間周期を持つ植物の体内時計であり、生命活動の根幹をなすものである。本研究では、概日リズム制御に関与する遺伝子に変異を持つ突然変異系統を作出し、圃場における生産性ならびに光合成能力への影響について調査を行い、突然変異による概日リズムのゆらぎが光合成能力に及ぼす影響を検証し、生産性の向上に寄与する知見を得ることを目的とした。 すでに概日リズムに変化があることが示されている晩生突然変異系統HS276を用い、圃場における生産性に関わる収量構成要素の調査を行ったところ、一穂籾数に関与する穂長、一次枝梗数ならびに二次枝梗数について、HS276の方が大きくなる傾向にあった。一方、分げつ数は同等かやや少なくなる傾向にあり、最終的な収量は、HS276が低くなった。HS276は原品種より約1週間晩生になることから、生育期間の長短による影響を排除できないことから、概日リズムの変化が光合成、ならびに生産性に及ぼす効果を検証するには、さらなる調査が必要であると考えられた。 次に、概日リズム制御の構成要素の一つであると考えられるOsPRR59に変異を持つ新規突然変異系統GP8の圃場における到穂日数は原品種とほぼ同等であった。GP8の光合成能力をCO2ガス交換速度によって評価したところ、原品種とGP8との間に明確な差異は認められなかった。概日リズムは複数の遺伝子によって複雑にかつ冗長的に制御されていることから、OsPRR59の変異が、概日リズムの変化に至らなかったため、到穂日数や光合成能力に違いが認められなかったと考えられた。 さらに、短日条件下において出穂遅延に関与する新規量的遺伝子座を見出した。これらの遺伝子座は、概日リズム制御を通じて、出穂期の決定に関わる可能性があることから、今後はこれらの遺伝子座の単離をすすめるとともに、光合成や生産性に及ぼす効果を調査する必要がある。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Detection of novel QTLs qDTH4.5 and qDTH6.3, which confer late heading under short-day conditions, by SSR marker-based and QTL-seq analysis2017
Author(s)
Eri Ogiso-Tanaka, Tsuyoshi Tanaka, Keisuke Tanaka, Yasunori Nonoue, Takuji Sasaki, Erina Fushimi, Yohei Koide, Yutaka Okumoto, Masahiro Yano, Hiroki Saito
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Journal Title
Breeding Science
Volume: 67
Pages: 101-109
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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