2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870327
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 大海 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80637398)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 画像処理 / 芸術 / インペインティング / 修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スクラッチ欠損(細長い引っかき傷)が入った画像の修復補完を目的とした、インペインティングの提案である。平成26年度の研究計画は、画像データベースの作成と、研究目的を達成する方式の提案であった。研究は計画通りに遂行され、2014年の7月に『空間距離に基づくスクラッチ欠損補間』を発表した。発表形式は、査読付のショートペーパーである。この方式は、従来のインペインティングでは補完することができない広範囲・高密度のスクラッチ欠損を含む画像が補完できる。その有効性は、従来の主要なインペインティングと比較しながら、定量的に示した。この成果は、インペインティングの性能限界を引き上げたという意味で、大きな意義がある。また、画像の損傷修復方式としてインペインティングが優れたものであることを示す重要な結果である。 2015年の1月には、『絵画の質感を考慮したインペインティング』を発表した。形式は、査読付学術論文である。この方式は、本研究を絵画画像の仮想修復に用いたものである。具体的には、2014年に発表した方式に、絵画技法の一つであるスフマート技法を反映した処理を導入している。さらに、絵画の持つ表面の凹凸を補完後に生成することで、より絵画らしい補完を行う方式である。本発表において、本研究が実際の損傷修復を行った場合、それが効果的に行えることを定量的に示した。またこの成果は、本研究の実用性と応用性の高さを示すうえで重要な意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
以下に示す、二つの理由から計画以上に進展していると考える。 1:当年度の目的であった、研究中の方式を完成させ、発表することができため。 2:1の応用方式を提案し、発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は、主に、さらなる応用方式の提案・発表である。 具体的には、対象とする画像を限定することで、その画像に特化した方式を提案する。 それにより、本研究の実用性と、応用性の高さを示していく。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画に対して、研究が大きく進展したため。具体的には、研究方式をシステムで実行した際の利用コストが想定よりも低く、新たな画像処理システムを購入・導入しなくとも実験できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究方式をさらに進展させるため、当初の予定通り高性能な画像処理システムの環境を構築する。
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