2014 Fiscal Year Research-status Report
若年出産のリスク要因及び児への健康影響に関する大規模疫学研究
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26870331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 幸子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (90532987)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 若年出産 / 母子世帯割合 / 三世代世帯割合 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年出産の母となること、そして子どもが若年出産の母に育てられることは様々な形で母子の健康に影響を及ぼすことが報告されている。女性が若年出産の母となる要因としては、被虐待歴、低収入・低学歴、喫煙などの個人レベルでの要因について既に報告されているが、居住県レベルの影響についての研究はこれまで行われてこなかった。 対象は21世紀出生時縦断調査の対象者、すなわち2001年1月10-17日に日本で出生あるいは7月10-17日に出生した児の母約5万人とした。 10代での出産を若年出産と定義し、若年出産について、個人のリスク要因として第一回調査項目より喫煙、学歴を、地域のリスク要因として文部科学省「都道府県・市町村別の教育・社会・経済指標データ」から各都道府県における母子世帯割合、三世代世帯割合、中絶率、一人当たり県民所得、及び、警察省「少年の補導及び保護の概況」から福祉犯被害率を調整因子とし、マルチレベルロジスティック回帰分析により、オッズ比と95%信頼区間を求めた。 母子世帯割合や三世代世帯割合、福祉犯被害率の多い県に居住することが若年出産し母となることと有意に関連を認め、個人のリスク要因を調整した後もその傾向は変わらなかったが、都道府県の中絶率については個人のリスク要因調整後関連を認めなかった。県民所得については若年出産の母となることと関連を認めなかった。 地域の世帯構成や治安が若年出産の母となることに影響を及ぼすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
21世紀出生時縦断調査を用いた若年出産の母となる要因についての研究成果について, 主要な解析を終了した。成果について、学会にて口演発表を行ったほか、筆頭著書論文を現在投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き21世紀出生時縦断調査を用いて、若年出産の母の養育や子の発達状況についての研究を行う他、千葉市における4か月健診受診者を対象とした研究も開始していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行う予定だったデータ入力作業を平成27年度以降に行うこととなり、データ入力費用として計上していた予算を使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にデータ入力を行い、作業にかかる費用を使用予定であるほか、当初より平成27年度に予定されていた研究計画に基づいて当初予定の予算も使用予定である。
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