2014 Fiscal Year Research-status Report
不斉アリル位置換反応を利用した新規光学活性高分子の創製とその機能化
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26870344
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神林 直哉 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50706752)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光学活性高分子 / チオールエン反応 / 閉環メタセシス / post-polymerization |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、面不斉シクロペンタジエニルルテニウム錯体を合成し、これを触媒とした不斉アリル位置換反応を開発し、この反応を不斉重合に応用することで、主鎖の不斉炭素を精密に制御した光学活性高分子の合成に成功している。これらの高分子は、構成単位に化学修飾可能な末端二重結合を有しており、光学活性高分子の容易な分子変換さらには、機能化が期待される。 本年度は、当初の計画に従い計画に従い、(i)閉環メタセシス反応と(ii)チオールエン反応を行うことで光学活性高分子の分子変換及び置換基修飾を行った。(i)では、構成単位にジオレフィン構造を有するを高分子を合成し、閉環メタセシス反応を行うことで、主鎖にキラルな環状構造を有する光学活性高分子を得た。また、(ii)では末端二重結合に対してチオールとオレフィンの結合形成反応であるチオールエン反応を行うことで光学活性高分子への様々な置換基の導入に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の予定であった光学活性高分子の合成法の確立を行った。高分子の構成単位にある末端二重結合に対して、閉環メタセシスまたは、チオールエン反応という全く異なる反応を用いることで高分子自体の主鎖骨格の変換及び置換基の側鎖修飾を達成した。それぞれの反応はいずれも定量的に進行し、主鎖構造、及び置換基の種類に依存しないことこら、次年度の高分子の機能化への土台を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、本年度確立した光学活性高分子合成法を基に、光学活性高分子の主鎖及び側鎖の構造が高分子自体に与える影響について各種スペクトル解析により調査し、それらの情報をフィードバックすることにより、二次元構造の制御及び、機能性高分子の合成を探索する。
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Causes of Carryover |
当初予定したより、研究室の既存の試薬で研究を遂行することができたため、物品費の消費が抑えられたため、次年度に繰り越しした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究協力者の学生が増員するため、物品等の消費が増えると予想される。前年度の予算を含め研究を行っていく予定である。
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Research Products
(8 results)