2015 Fiscal Year Annual Research Report
代謝調節因子Lipin1の細胞内局在を制御する因子の探索
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26870346
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石本 憲司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 研究員 (00572984)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Lipin1 / 細胞内光クロスリンク法 / 脂質代謝 / 細胞内局在 / 脂肪酸酸化 / トリグリセリド合成 / 核移行シグナル(NLS) / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
代謝調節因子Lipin1は、細胞内局在を変化させることで、脂質を蓄積することも分解することもできるユニークなタンパク質である。一方で、Lipin1の2つの脂質代謝機能を使い分ける機構はほとんどわかっていないが、Lipin1の結合因子がLipin1の細胞内局在を決定することで、その代謝機能を制御していることが予測される。本研究では、細胞内で実際に生じているタンパク質間相互作用を解析できる手法である「細胞内光クロスリンク法」を駆使して、新規Lipin1結合因子を探索する。そして、Lipin1の細胞内局在を制御する分子機構の解明を通じて、肥満解消に向けた新しい治療戦略提唱を目指す。 昨年度作製した細胞内光クロスリンク可能な変異型Lipin1のプラスミドを293 c18細胞に過剰発現させ、FLAGタグ使った免疫沈降を行った。次に、このサンプルを用いてSDS-PAGE、銀染色を行ったところ、クロスリンクに由来するシフトバンドが銀染色レベルでも確認できた。そこで、このバンドを切り出しトリプシンによるゲル内消化後、質量分析を行った結果、3種類のリン酸化結合タンパク質を同定することができた。これら同定因子とLipin1が、実際にLipin1の核移行シグナル付近で結合しているか否かを確認するため、3因子の遺伝子をcDNAからクローニングし、発現プラスミドを作製した。そして、これらプラスミドと変異型Lipin1を細胞に共発現させ、細胞内光クロスリンク法を行った後、免疫沈降による結合を確認したところ、Lipin1と全ての因子がLipin1のNLS付近で相互作用していることが分かった。これらのことから、Lipin1のNLSを制御する可能性がある因子の同定に成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Analysis of the subcellular localization of the human histone methyltransferase SETDB1.2015
Author(s)
Tachibana K, Gotoh E, Kawamata N, Ishimoto K, Uchihara Y, Iwanari H, Sugiyama A, Kawamura T, Mochizuki Y, Tanaka T, Sakai J, Hamakubo T, Kodama T, Doi T.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun.
Volume: 465
Pages: 725-731
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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