2015 Fiscal Year Research-status Report
小・中学生の睡眠・心身健康を確保するためのストレスコーピング有用性の実証的研究
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26870358
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古谷 真樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 講師 (10725998)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠 / 生活リズム / ストレスコーピング / こころの健康 / 小学生 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立大学附属小学校および中等教育学校の児童・生徒を対象とした、ストレス低減と生活リズム改善を行なう健康教育プログラムの作成と実施を行なった。小学生の健康教育プログラム作成については、養護教諭と体育教諭と連携し、5年生の保健体育「こころの健康」授業3時間の枠で実施可能な指導案を作成した。内容は、1)睡眠のメカニズムの理解と自分の生活の振り返り、2)心と身体の関係の理解とリラックス方法の習得、3)ストレスへの対処方法であった。これらについて、スライドとワークシートを使った授業形態の回と少人数グループによるディスカッションの回とを設けて、自分自身のストレス対処やライフスタイルを振り返るように設定した。中学生においては、保健体育の授業枠2時間を「睡眠とストレス」という題で実施できるように指導案を作成し、1年生から3年生までの全てのクラスで体育教諭が実施した。内容は、1)睡眠と心身の健康、2)欲求やストレスへの適切な対処として、小学生よりもさらに自分自身のストレス対処やライフスタイルの問題点や工夫点への気づきを促すために、ディスカッションの時間を長く設けた。現場からは、知識の提供だけでなくグループワークの時間を多く設けられていたため、児童・生徒が学習内容を自分のこととして実感することができたという評価を頂いた。 本来、睡眠とストレスについては、個別に学習するよう学習指導要領では項目が設けられている。しかし、心身ともに健康で活動的に一日を過ごすためには、基本的欲求(食事、睡眠、排泄など)を満たすだけでなく、ストレスに対して適切に対処をすることも重要である。そこで、本研究では、限られた保健の時間の中で複数の項目を学習できるように、心身の疲労回復の役割を担う睡眠を中心とした指導案を作成し、青少年のライフスタイル全般を見直すことを目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校においては、養護教諭と体育教諭と連携しながら、ストレス低減と生活リズム改善を行なう健康教育プログラムを作成し、保健体育の時間を用いて実施した。計画通り、日誌および生活習慣記録機、心拍計を用いてストレスや生活リズムを測定することができた。一方、中学校においては、体育教諭と連携しながら健康教育プログラムを作成し、保健体育の時間で実施してもらった。現場からは、知識の提供だけでなくグループワークの時間を多く設けられていたため、生徒が自分のこととして実感することができたという評価を頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校、中学校ともに健康教育プログラムの効果評価を行ない、成果を国際学会で発表する。小学校においては、特に健康教育プログラムの継続実施と持続性の検討を行なう。さらに、児童の自立を支援する保護者の関心を高めるために、保護者向けの講演を行なう。中学校においては、体育教諭を中心に生徒や養護教諭と連携しながら、授業で簡便に使用できるリーフレットを作成し、自己コントロールを促すツールにする。
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Causes of Carryover |
研究成果発表のため、別刷り代や翻訳代等の必要経費が予定より多く生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定されていた海外での国際学会発表を国内開催の国際学会に変更したことにより、旅費を抑えることができるため、調整可能である。
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