2014 Fiscal Year Research-status Report
大都市圏郊外地域における開発型中小製造業の形成に関する実証研究
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26870372
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
藤田 和史 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (90613216)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大都市圏 / 郊外 / 工業集積 / 開発型中小企業 / 大都市圏集積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大都市圏集積の郊外地域に立地する開発型中小製造業について,その経営的・技術的存立基盤の変遷に関して分析するとともに,大都市圏集積郊外という立地環境が中小企業・大都市圏集積双方にどのような意味を持つのかを明らかにすることを目的としている.本研究の趣旨としては,1)中小製造業の経営基盤に大都圏集積が果たす役割は何か,2)中小製造業の技術的基盤として大都市圏集積の持つ役割は何かを検討することにある.上記2点とともに,3)大都市圏集積の郊外地域という立地環境が,開発型中小製造業に対して,そして郊外地域の開発型中小製造業の存在が大都市圏集積に対していかなる意味を持つのかを考察することが本研究の趣旨である. 平成26 年度は,京阪神の大都市圏工業集積地域の郊外に相当する堺・和泉・泉大津・岸和田を中心とする泉北地域に立地する企業を対象に面接によるインタビュー調査を実施した.また,隣接する泉南地域についてもその外縁地域として調査対象地域に含めることにした.26年度は,まずデータ・文献資料の収集作業と各自治体の工業担当部局でのインタビュー調査(調査対象助言・依頼含むを実施した.そして,得られた情報を基に,企業に対するインタビュー調査を10社実施した.平成26年度は京阪神大都市圏(主として大阪市内)からの移転企業とともに,地場産業である精密機械工業の事業所が主な対象となった.また,工業統計調査のデータを基に,泉州地域の工業生産について計量的な状況把握を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,平成26年度中に泉州地域の企業への調査を完了する予定であったが,調査先企業との調整等に時間を要し,結果として十分な企業数を調査するに至らなかった.また,当初の仮説と異なり,泉州地域の開発型中小製造業では繊維関係の企業の比重が未だ大きく,機械系の企業のみでは十分な結果を望めないことも判明した.
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Strategy for Future Research Activity |
上記達成度との関わりにおいて,機械系の中小製造業のみを対象とするのではなく,繊維系を含めた形で対象企業の選定を実施する必要がある.ゆえに,対象の拡充を進めた上で,年度前半を泉州地域の調査に充てる必要がある.年度の後半については,予定通り京浜の郊外地域を対象に調査を進める予定であるが,事前の調整等を自治体部局・商工会議所等と実施する必要がある.
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Causes of Carryover |
平成26年度については,近隣地域での調査が主体となったために,交通費等の使用が大きく減じた.また,学内の業務の関係でも企業を訪問する機会があったため,科研費の使用額が減少している.また,物品費としても発注した洋書が,年度末までの納入に間に合わなかったため,当該額を繰り越している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の繰越額の一部については,年度開けに納入された洋書の支払に執行されている.また,残額の一部については,平成27年度以降に支出が増加すると考えられる交通費へと振り分ける予定である.
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