2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の夜間頻尿とそれに伴う生活の困りごとを支援するアセスメントツールの開発
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26870381
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹田 裕子 島根大学, 医学部, 講師 (60598134)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 夜間排尿 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,夜間頻尿の症状のある高齢者の生活の質を高めるための支援を目指し,看護職にとって実用性の高い高齢者の夜間頻尿とそれに伴う生活の困りごとを支援するアセスメントシートを開発することを目的としている。 2年目にあたる,平成27年度においては,地域在住高齢者に配布した質問紙の回収と結果のまとめを実施した。中山間地域に位置する1町の老人クラブに加入されている高齢者1,245人を対象に質問紙を配布し,回収は945であった。調査内容は対象者の夜間排尿回数,属性(性別,年齢,要介護度,現病歴,転倒歴),下部尿路症状の有無,夜間排尿のある際の生活意欲などであった。回収された質問紙のうち699(男性314人,女性385人)を解析対象とした。解析は男女別で行った。夜間排尿1回の人を【夜間排尿1回群】,2回以上の人を【夜間排尿複数回群】の2群に分類し,χ2検定を用いて分析した。さらに夜間排尿の回数が複数回になることに関連する要因について男女別にロジステッィク回帰分析を行った。【夜間排尿1回群】が300人(男性113人,女性187人),【夜間排尿複数回群】が399人(男性201人,女性198人)であった。ロジステッィク回帰分析の結果,男性で有意な関連を認めたのは,「年齢」,「糖尿病」,「腰痛症」,「昼寝の必要」,「中途覚醒の煩わしさ」であった。一方,女性で有意な関連を認めたのは,「年齢」,「要支援1~要介護2」,「切迫性尿失禁」,「昼寝の必要」,「余暇活動参加の減少」,「中途覚醒の煩わしさ」であった。地域在住高齢者において,夜間排尿が複数回になることと身体状況および日常生活活動や生活意欲との関連が示唆された。この結果を次年度学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ入力と結果の分析について時間を要した。特に,分析については丁寧に時間をかけて実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の結果について学会発表と論文投稿を行う。また,質問紙調査の結果より地域在住高齢者における夜間頻尿の実態と課題について抽出されたものをもとに,看護職とともに支援体制をつくり,チームで検討会を実施し,アセスメントシートの作成を行う。
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Causes of Carryover |
地域在住高齢者の夜間睡眠状況の評価を行うための備品にかかる費用が予定以内での支出となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの成果を発表するための旅費等に研究費を使用する。
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Research Products
(1 results)