2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research for the view on development of children's voices in music curriculum and practice of foreign countries.
Project/Area Number |
26870384
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 倫子 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (60390241)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 声の発達観 / 音楽科カリキュラム / 歌唱 / 歌文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、諸外国の音楽科カリキュラム及び実践における《声の発達観》についての調査研究を目的とした。平成28年度~平成29年度には平成26年度及び27年度の実地調査(フィンランド・スウェーデン及びカナダ)から明らかとなった音楽活動の実態とカリキュラムに関する資料との関連性について「声の発達観」を軸に分析および考察を行った。 特に、フィンランドユヴァスキュラ市の乳幼児音楽教室(ムスカリ)とカナダのブリティッシュコロンビア州のカリキュラムを取り上げ考察を行った。ムスカリでは、胎児期から乳幼児期そして就学年齢の児童までの発達段階に合わせた音楽活動の展開が示されているが、乳児のクラスでは親子の相互作用性を重視し安心感を基礎に活動を進めていく点から音環境としての声のトーンや声量の配慮を行っている点、幼児のクラスでは遊びを通したアクティブな内容が組まれ、音楽性や想像力を深めるために,童謡を中心とした歌唱がおこなれている点も特徴として見出された。 また、カナダブリティッシュコロンビア州の音楽科カリキュラムについては、第9学年までについては2016年に改訂版が、第10学年以上については2017年に草案が出されている。主な改定の方針においては、個々のニーズに応じた学習の展開や多民族を尊重した内容への転換が求められている。声の発達観からはカリキュラム上特徴は認められなかったが、多様な文化に即した表現や理解が求められている点が関連事項として挙げられた。また第10学年以上になると、合唱において文化や社会的な文脈からの「個人的な声」を重視している点が読み取れた。 さらにこれらの調査研究に関連し、こどもの歌文化に関する声の発達観の観点から、我が国の小学校を対象にした歌文化の調査や声楽家からの専門的知識の提供を受けた。以上の調査結果は、まだ研究論文等で公表できていないため、今後の課題としたい。
|
Remarks |
「みんなで歌おう音楽会」に関する基礎研究とその応用(冊子)
|
Research Products
(1 results)