2014 Fiscal Year Research-status Report
魚類と両生類から明らかにする新型アドレノメデュリンの機能:免疫・造血系に着目して
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26870386
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
御輿 真穂 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (00527997)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アドレノメデュリン / 比較内分泌学 / 脊椎動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
アドレノメデュリン(Adrenomedullin, 以下AM)ファミリーは哺乳類で3種類、硬骨魚類で5種類の遺伝子からなる。哺乳類で研究例の多いAM(AM1)以外のタイプの機能を解明するため、硬骨魚類でAM1~5の5種類すべてが保存されているメダカを用いて解析を行った。その結果、メダカにおいて、全てのAM遺伝子の各組織における発現分布を硬骨魚類で初めて定量化し、AM3とAM5が肝臓と腎臓、他のタイプが腎臓において高発現していることを見出した。また、外部塩濃度を変化させることにより、各々のタイプが独立した発現変動を示すこと、とりわけAM2とAM4が体液調節に関与することを示唆する結果を得たため、論文として報告した。同じファミリーに属する遺伝子群ではあるが、独立した機能をもつ異なる生理活性物質であることが示唆される。 また、ヒトでは変異しているAM5の機能を解明するため、平成27年度に予定していた両生類を用いたAM5遺伝子に関する解析を平成26年度に前倒しして行った。その結果、ネッタイツメガエルの発生において、尾芽胚期にAM5遺伝子が腹部血島に発現していることをin situ hybridization法によって見出した。腹部血島は造血幹細胞が集まり血球の分化が行われる部位であり、また成体においても造血器官である肝臓にAM5遺伝子の発現がみられたため、AM5遺伝子が両生類において造血に関与する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度計画の一部を達成し、さらに平成27年度の研究計画を一部前倒しして行い、成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、小型魚類においてAM5遺伝子のノックダウン/アウト動物を作出し、表現型の解析を行う。また、両生類におけるAM5の造血機能を解明するため、発現する血球細胞の同定および造血幹細胞の分離と培養を行う。
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Research Products
(1 results)