2014 Fiscal Year Research-status Report
胃癌に対するHER2標的抗体医薬を搭載した金ナノ粒子製剤の開発と治療効果の検討
Project/Area Number |
26870390
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 新士 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60633758)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 金ナノ粒子 / トラスツヅマブ / HER2 / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
金ナノ粒子(AuNP)・トラスツズマブ(Tmab)他、必要な試薬を購入し、先行論文(Kumar S, et al. Nat Protoc. 2008)を参考に、トラスツズマブ結合金ナノ粒子(Tmab-AuNP)の作成を行い、分光光度計にて質的評価を行った。HER2陽性胃癌細胞株(NCI-N87、MKN7)に対するTmab-AuNPの細胞障害活性をXTTアッセイにて検討したところ、コントロール群であるTmab、AuNP、Tmab+AuNPと比較し、有意に強い細胞障害活性を認めた。一方で、HER2陰性胃癌細胞株(MKN74)に対しては有意な細胞障害活性を認めなかったが、HER2 extracellular domain(HER2-ECD)を発現させるアデノウイルスベクターを用いて、MKN74細胞株にHER2-ECDを強発現させると、Tmab-AuNPはコントロール治療群と比較して有意な細胞障害活性を示すようになった。Tmab-AuNP の治療メカニズムの解析として、アポトーシス・オートファジーへの影響を検討中である他、放射線との併用効果に関しても検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トラスツヅマブ結合金ナノ粒子(Tmab-AuNP)の作成および質的評価の後、Tmab-AuNPの細胞への取り込みと細胞障害活性がHER2の発現強度依存的に増加していることを確認できたことは当初の仮説通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在のところ概ね順調に進んでいるため、当初の予定通り、in vitroではTmab-AuNPの治療メカニズムの解析を進めつつ、in vivoでマウスの胃癌皮下腫瘍モデルさらには胃癌同所性モデルにおける治療効果の検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
実験消耗品の購入が当初の予定より安くすんだため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越しとなった金額は主に次年度の実験消耗品に用いる予定である。
|
Research Products
(2 results)