2014 Fiscal Year Research-status Report
漏洩ポテンシャルに基づく暗号機器へのサイドチャネル攻撃に対する安全予測法の研究
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26870392
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
五百旗頭 健吾 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (10420499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報セキュリティ / 暗号・セキュリティ / 耐タンパー技術 / AES暗号 / 等価回路モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
FPGA実装したサイドチャネル攻撃耐性の異なる暗号回路について、情報漏洩ポテンシャルを同定した。標準暗号であるAESを評価対象とし、AES回路のうちサイドチャネル情報を含むスイッチング電流を発生するレジスタ部の回路サイズが1~20倍異なる複数のAES回路を使用した。それぞれのAES回路について、我々が提案する等価回路モデルに基づき等価電流源を同定し、スイッチング電流と情報漏洩強度を表す相関係数との関係を分析した。その結果、スイッチング電流を増加させた時、サイドチャネル波形に含まれる信号成分の増分に比例して相関係数が増大することを実証した。この結果より、情報漏洩ポテンシャルとして、当初想定していた線形な漏洩関数と相関係数を包含する信号対雑音比(SNR)が適しているとの見通しを得た。 暗号回路からサイドチャネル波形までの伝達関数の同定に関してもプリント基板2機種において検討を行った。1機種目では、サイドチャネル波形の高精度予測を実現し、同定した回路基板の伝達係数が高精度であることを示した。2機種目の基板は、伝達関数同定に使用できる測定ポートが限定されていたが、サイドチャネル信号の伝搬への寄与が支配的な要素を絞り込むことにより、実用的な精度の波形予測を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
漏洩ポテンシャルとして暗号IC内部のサイドチャネル波形のSNRが適していることを示し、暗号ICからプリント基板上のサイドチャネル波形観測位置までの伝達関数の同定を完了した。これにより、平成27年度には、暗号IC内部のSNRと伝達関数からプリント基板上でのサイドチャネル攻撃に対する安全性予測実現するための準備が整った。よって、当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、暗号IC内部のSNRと伝達関数からプリント基板上のサイドチャネル波形観測位置でのSNRを算出する方法を解析に導出し、その手法の有効性を実験に基づき検証する。検証実験をとおして、すでに報告されているSNRと相関係数との関係式を検証し、理論及び実験に裏付けられた関係式を確立する。
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Research Products
(2 results)