2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on peptide requirement of lactobacilli resident in human small intestine
Project/Area Number |
26870393
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒川 健佑 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (50609930)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / Lactobacillus gasseri / ペプチド要求性 / 菌体外プロテアーゼ / ムチン / ペプシン / 乳 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】 これまで、ヒト消化管内で高頻度に検出されるLactobacillus gasseriが、窒素源としてタンパク質や遊離アミノ酸ではなく、ペプチドを要求することを明らかにしてきた。また、発酵基材へのペプチド添加、発酵基材のプロテアーゼ(特にペプシン)処理、もしくは乳酸球菌との共培養によって、Lb. gasseriをスターターとした発酵食品製造が可能であることを示してきた。本年度は、以下の2点について研究を行った。
【研究成果】 ①通常、乳酸菌は、食品(環境)中のタンパク質を菌体外プロテアーゼ(CEP)によってペプチドまで分解し、それらを取り込むことによって窒素源を得ている。すなわち、Lb. gasseriのペプチド要求性は、CEPの不備が原因の1つと考えられる。そこで本研究では、各種乳酸桿菌のCEP活性を測定・比較することとした。その結果、CEPの存在が明らかな乳業用乳酸桿菌と比較して、Lb. gasseriのCEP活性は顕著に低いことが明らかとなった。また、ゲノム情報から、Lb. gasseriにはCEP様タンパク質をコードする遺伝子がないことが判明した。これらの結果から、Lb. gasseriのペプチド要求性は、CEPの不備にその一因があると強く示唆された。 ②ペプシン処理によって生じる食品タンパク質由来のペプチドがLb. gasseriの生育促進に最適であったことから、消化管内で多量に存在するムチンタンパク質もin vivoでペプシン消化後にLb. gasseriに資化される可能性が考えられた。そこで、Lb. gasseriのペプシン消化ムチン資化能を調べたところ、食品由来ペプチド以上にLb. gasseriの生育性を向上させた。このことから、in vivoにおいても、Lb. gasseriはペプシン消化ムチンを資化していると示唆された。
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Research Products
(10 results)