2015 Fiscal Year Annual Research Report
エイコサペンタエン酸によるGPR120を介したベージュ細胞誘導効果の研究
Project/Area Number |
26870401
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大野 晴也 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (60725894)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / GPR120 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
エイコサペンタエン酸の受容体であるGpr120の脂肪組織間での遺伝子発現レベルを比較検討したところ、白色脂肪組織に比べ、褐色脂肪組織でその発現が高く認められた。また初代培養褐色脂肪細胞において、分化日数に伴いGpr120の発現は上昇しており、褐色脂肪細胞の機能にGpr120が関係している可能性が考えられた。 不死化させて細胞株化された褐色脂肪細胞を充分に分化させ、GPR120の特異的アゴニストであるGW9508を加え4時間後の遺伝子発現変化を検討すると、Ucp1やPgc1aといった褐色脂肪細胞の機能特異的遺伝子群の発現上昇を認め、さらにβ3アゴニストであるForskolinとの相乗効果も認められた。siRNAを用いてGPR120をノックダウンすることでこのGW9508添加に伴う褐色脂肪細胞特異的遺伝子群の上昇は認められなくなった。 GPR120による褐色脂肪細胞の活性化機序を詳細に検討する目的で、GW9508添加後の遺伝子発現をマイクロアレイにより網羅的に検討した。GW9508の添加によりUCP1など既知の褐色脂肪細胞遺伝子群の発現上昇を認め、またパスウェイ解析によりMAPKカスケード関連遺伝子群の変化を認めた。そこで、褐色脂肪細胞にMEK1/2阻害薬であるPD184161を添加し遺伝子変化を検討したところ、GW9508により誘導される褐色脂肪細胞特異的遺伝子群の上昇を認めなくなった。またPKA inhibitorであるH89を添加することによってもGW9608依存性の褐色脂肪細胞特異的遺伝子群の上昇を認めず、MAPK経路およびPKAk経路共にGPR120による褐色脂肪細胞活性化に関与しているものと考えられた。
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Research Products
(5 results)