2015 Fiscal Year Research-status Report
反復性軽度頭部外傷の悪化メカニズムの解明と治療法の検討
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26870405
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮内 崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40380000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | mRNA / QPCR / HMGB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの軽症頭部外傷モデルによる実験を継続した。実験は継続的に実施しており、検体は採取できていたが、当初の目的であった組織の染色および構造的な損傷についての評価は、予測していたような結果が得られず、評価が困難な状況となった。そのため、計画の一部を変更し、組織に発現するmRNAを測定することとした。 計画を作り直し、軽症頭部外傷単発の群と繰り返し損傷群に分けて計画を立てた。実験は予定より遅れており、十分ではないが順調に進んでいる。現在、脳組織を取り出した後にRNAを抽出し、cDNAに逆転写させた検体を集積中である。 今後は検体を使用してQPCRを行い、mRNAの相対定量を行う予定である。測定ターゲットとしてはHMGB-1を予定している。また同時に、血清、髄液検体を採取しており、各検体間の測定値の違いを見ることができる。 当初の予定より実験規模を縮小しているため、平成28年度中に実験は終了し、データ解析を開始できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織のAPP染色を行ったが、APPの評価が困難であった。その原因としては染色の手技的な問題、染色に用いる抗体の問題、検体の処理の問題などが考えられる。すでに組織サンプルを収集しているので、原因検索と修正は引き続き行うこととしたが、これにはかなりの時間を要すると考えられるため、他の評価方法でのアプローチを考え、計画を変更することとした。具体的には、軽症頭部外傷直後の組織内のmRNAを測定する計画を新たに作成した。mRNAの測定については、当研究室ではこれまで経験がないが、他の研究室から手技を習得し、研究室内でも測定可能なように設備を整える必要があった。以上のことから、当初の予想以上に時間がかかり、進捗状況はやや遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
mRNAの測定に関してはすでに進行中であり、組織サンプルを蓄積している段階にある。今後、ターゲットとするmRNAを決め、サンプルを用いてその発現量を測定する予定である。QPCRは組織染色よりも少ない工程で測定可能であり、実験手技についても時間短縮できる。また実験は軽症頭部外傷単回、2回、コントロールの3群比較とし、シンプルな実験系に変更した。これによって実験計画全体の期間を短縮できるため、平成28年度中に結果を発表できる予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に使用する助成金に合わせるように調整したがわずかに余った。余った金額が少額で、実験器具を購入するほどではないため、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度と合わせて物品購入などにあてる。
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