2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the development and treatment after repetitive mild traumatic brain injury
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26870405
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮内 崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40380000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軽症頭部外傷 / 脳振とう / IL6 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽症の頭部外傷でも、繰り返すことで重症化することが知られている。そのメカニズムを解明するため、ラットを用いた動物実験を行った。反復性の軽症頭部外傷を、3時間の間隔をあけて2回実施し、検体採取のポイントを1回目の1.5時間後、3時間後に行う群、2回目の1.5時間後、3時間後に行う群およびシャム群の5群の実験を行った。検体は脳組織、血清、髄液を使用することとした。 動物実験を順次施行し、検体採取を行った。血清は実験の時間経過に沿って採取することができるが、髄液や脳組織はラットを安楽死させた後に採取した。測定するものを検討し、IL6、HMGB1、GFAP、NFkBなどを候補とした。血清や髄液はELISAを用いて測定を行った。脳組織は局所の発現を見るため、mRNAを測定することとした。 得られる検体量が少ないため、測定するメディエーターを絞り込む必要があった。血清での各種メディエーターの経時的変化を参考に、脳組織内でのmRNAの発現について調査した。その中ではIL6が最も安定した測定結果を得ることができたため、髄液での測定を追加し、その変化について調査した。 IL6に関して、血清では1.5時間後にはすでに上昇しており、3時間後で最も高値であった。その後、2回目の軽症頭部外傷を与えてもIL6がさらに高くなることはなかった。髄液は検体数が限られていたため、1回目の外傷から3時間後、2回目の外傷から3時間後の2点での比較を行った。その結果、前者では軽度の上昇、後者ではさらに上昇が認められた。mRNAでは、1回目から3時間後、2回目から1.5時間後ではシャムと差がなく、2回目から3時間後でのみ上昇が認められた。この結果は血清での経時的な変化とは異なり、髄液での結果と同様のものであった。
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Research Products
(1 results)