2014 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化発症におけるCDMファミリー分子の役割とその制御機構
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26870420
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實松 史幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80381094)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / 泡沫細胞 / マクロピノサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
アテローム性動脈硬化発症の原因である泡沫細胞は、マクロファージが変性LDLを取り込む「スカベンジャー受容体」経路と、Native LDLを取り込む「マクロピノサイトーシス」経路によって形成される。これまで変性LDL取り込み経路は盛んに研究されてきたが、Native LDLによる泡沫細胞化のメカニズムについては未だ明らかではなかった。 マクロファージにはCDMファミリー分子であるDOCK1/DOCK2/DOCK5が発現していることは既に確認済みであり、初年度はそれらのTriple Knockout (TKO)マウスを作製したのち骨髄よりマクロファージを分化培養して、細胞生物学的及び生化学的な評価を行った。 1)野生型とTKOマクロファージにおいて、M-CSF刺激の下、マクロピノサイトーシス作用によるdextran-FITCの細胞取り込み量の差異を検討した結果、TKOでは顕著に減少していた。2) マクロピノサイトーシス経路によるnative LDLの取り込み量の差異を検討した所、TKOマクロファージにおいては顕著に減少していた。さらに、DOCK1/2/5阻害剤であるCPYPPを用いて検討した所、同じく取り込み能が顕著に減少していた。3) 蛍光標識したAcLDLの取り込み能を野生型とTKOマクロファージにおいて比較検討した所、その機能は変化無いことが確かめられた。 以上より、マクロファージにおけるマクロピノサイトーシスによる外部液性因子の取り込みにはCDMファミリー分子が重要であり、マクロピノサイトーシス経路を介した泡沫細胞化にCDMファミリー分子が関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた、TKOから骨髄マクロファージを分化培養しての細胞生物学的および生化学的解析は順調に進行しており、予定通りである。 また、次年度は個体レベルでの解析を行うために、現在ApoE-/- LysMcre DOCK1lox/lox DOCK2KO DOCK5KOマウスを作製中である。作製次第、高コレステロール食を長期投与し、vivoにおける病態変化の観察を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進行しており、多くの成果が得られている。次年度は最終年度であり、この成果をさらに発展させ、CDMファミリー分子の動脈硬化メカニズムへの新たな関与を示したい。
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Research Products
(3 results)