2014 Fiscal Year Research-status Report
抗原のクロスプレゼンテーションによる全身性エリテマトーデス誘導機構の研究
Project/Area Number |
26870421
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
積山 賢 九州大学, 大学病院, 助教 (20514607)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 抗原のクロスプレゼンテーション / 全身性エリテマトーデス / SLE |
Outline of Annual Research Achievements |
1.STINGは抗原のクロスプレゼンテーションに関与するか STING欠損マウスから作製したSTINGを欠損する骨髄由来樹状細胞(BMDC)を用いて、抗原のクロスプレゼンテーションへのSTINGの関与をin vitroにおいて検討した。野生型およびSTING欠損マウスの骨髄細胞をGM-CSFで刺激培養し、BMDCを作製した。このBMDCに卵白アルブミン(OVA)をパルスし、この後、CD8+ T細胞と共培養した(クロスプレゼンテーションアッセイ)。24時間後にCD8+ T細胞の活性化を検討した。その結果、野生型BMDCを用いた場合と比較して、STING欠損型BMDCを用いた場合にはCD8+ T細胞の活性化が減少した。
2.STINGはどのように抗原のクロスプレゼンテーションに関わるか (1)STINGがSec61と相互作用しているかを解析した。野生型BMDCからタンパクを抽出し、抗STING抗体を用いて免疫沈降を行った。その結果、Sec61はSTINGと共沈した。また同様に、抗Sec61抗体を用いて免疫沈降を行ったところ、STINGはSec61と共沈した。これらのことから、Sec61とSTINGは相互作用していることが示唆された。 (2)STINGが関与するシグナル伝達について検討した。野生型BMDCにOVAをパルス後、STINGを介するシグナル伝達分子の活性化を検討した。しかし、それらの分子群の活性化は見られなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STINGが抗原のクロスプレゼンテーションに影響するか否かの検討、およびSTINGが関連分子と相互作用するか否かの検討を、概ね予定通りに完了できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.質量分析を行い、抗原のクロスプレゼンテーションにおいてSTINGが相互作用する分子を網羅的に解析する。
2.STINGは全身性エリテマトーデス(SLE)の発症に関与するかを検討する。STING欠損マウスにSLEの発症を誘導し、細胞傷害性T細胞の生成や組織傷害の有無を解析して、抗原のクロスプレゼンテーションへのSTINGの関与をin vivoで検討する。また、SLE発症後の野生型およびSTING欠損マウスのDCを用いてクロスプレゼンテーションアッセイを行い、両マウスのDCにおける抗原のクロスプレゼンテーション能力を解析する。
|
Causes of Carryover |
STINGと他の分子との関連について、当初の予定よりも詳細な検討を行い、この検討を優先して行った。それに伴い、本年度に行う予定であった質量分析を次年度に行うこととした。そのため、質量分析にかかる費用が次年度使用となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に行う予定であった質量分析を次年度に行い、この費用として使用する。
|