2015 Fiscal Year Annual Research Report
曖昧視知覚の安定化と不安定化の相互作用に関わる脳内活動動態の解明
Project/Area Number |
26870426
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
浦川 智和 東京理科大学, 理学部, 助教 (80586644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視覚 / 曖昧図形 / 視覚変化 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では曖昧な画像(多義図形)から一義的な視知覚へと導く脳内情報処理に着目し、特に一度形成された視知覚を不安定化させる脳内情報処理に視覚変化検出処理が関与しているのかどうか明らかにすることを目的とした。本課題の最終年度で得た成果は以下の通りである。
1.心理実験 多義図形知覚を安定化させる順応効果(知覚的バイアス)を生じさせる実験条件下において、視覚変化検出処理を駆動させる視覚変化が存在する条件(Break条件)と存在しない条件(Control条件)の2つの条件を新たに追加して実験を行ったところ、Break条件における知覚的バイアスはControl条件でのそれに比べて減弱する知見を得た。この成果は、国際学会で発表し、英文原著論文としてまとめて雑誌に投稿し、現在受理されている(Urakawa et al., Perception, in press)。 2.脳波実験 前述1で得た成果を元に新たに脳波計測を行って、実際に視覚変化検出処理が視知覚の不安定化に関与しているのか検討した。実験の結果、視覚変化検出処理に関与する脳反応(視覚変化検出反応)の増大に伴って曖昧視知覚が不安定化されていく知見を得た。この結果は、現在英文原著論文としてまとめており、投稿準備中である。
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