2014 Fiscal Year Research-status Report
レインガーデンの設計・管理指針の提案と先進的都市緑化戦略の策定に関する研究
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26870433
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Research Institution | Chugoku Regional Research Center |
Principal Investigator |
石松 一仁 公益社団法人中国地方総合研究センター, その他部局等, 研究員 (60724606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レインガーデン / 豪雨対策 / 土木環境システム / 環境保全修復技術 / 生物多様性 / 都市緑化 / グリーンインフラ |
Outline of Annual Research Achievements |
今日、我が国ではレインガーデン導入の必要性が議論され始めている。しかしながらレインガーデン関連の調査・研究はほとんど行われておらず、導入のための準備が整っていない。こうしたことから、海外で利用されているレインガーデンの事例調査を行い、設計上の留意点や管理上の課題を整理する必要がある。加えて、レインガーデンのようなグリーンインフラ(緑の構造物)は、気候・風土の影響を受ける可能性があるため、海外事例をそのまま輸入することはリスクが高い。実際にレインガーデンを建設してモニタリング調査を行い、我が国の気候・風土に適した形にアレンジしなければならない。 本年度の事例調査として、グリーンインフラの政策を進める先進都市として国際的に認知されているアメリカのオレゴン州ポートランドと、ポートランドとは気候・風土が全く異なるフロリダ州ゲインズビルを訪問し、既に利用されているレインガーデンの構造や植栽されている植物について調査した。また、レインガーデンの設計者や管理者に対して、設計上の留意点、管理上の課題、施工費、維持管理費、レインガーデンのメリット・デメリットについてヒアリング調査を行った。 一方、モニタリング調査の準備として、国立大学法人九州工業大学先端グリーンキャンパスプロジェクトの実験ヤードにレインガーデンを建設した。そして、平成27年度に行うレインガーデンの雨水吸収能力実証実験に向けての予備実験を行い、改良を加え、レインガーデンの施工前と施工後植生調査を行った。 さらに、国際学会1件(口頭発表)、国際シンポジウム1件(基調講演)、国内学会1件(ポスター発表)、和文雑誌1本、英文書籍1冊で本研究について発表するとともに、国内外の研究者や技術者と情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の2本柱である「海外におけるレインガーデンの事例調査」と「国内におけるレインガーデンのモニタリング調査」に関しては、計画以上に進展している。その一方、本年度内での完了を予定していたGISを用いた実験ヤード(九州工業大学戸畑キャンパス)周辺の1960年代、1980年代、2000年代における不透水層(コンクリートやアスファルトなど雨水が浸透しない表面)の変遷状況の把握において、若干の遅れが見られる。ただし、この遅れはクリティカルパスではなく、平成27年度上半期までに解消を図ることができれると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの2年間は、当初の研究計画に従って本研究を円滑に推進していく。具体的には、以下のとおりである。 平成27年度は、平成26年度に訪問できなかった欧州にて、レインガーデンの事例調査を行う。訪問する都市については、現在、調整中である。また、平成26年度に実験ヤードに建設したレインガーデンで植生調査を行うとともに、レインガーデンの機能性・耐久性を評価する。さらに、GISを用いて不透水層の変遷状況を把握し、北九州市戸畑区及びその周辺の雨水吸収能力を評価する。 平成28年度は、実験ヤードのレインガーデンで平成27年度と同様のモニタリング調査を継続して行う。そして、本研究で行った調査結果をもとに、日本の都市環境に適した生態系サービスの修復を目的としたレインガーデンの設計・管理指針を提案する。また、レインガーデンと屋上緑化を組み合わせた継続的かつ先進的な都市緑化戦略を策定する。
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Research Products
(5 results)