2016 Fiscal Year Research-status Report
肥満者の心理行動改善を目的とした新たな集団認知行動療法の開発
Project/Area Number |
26870437
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小川 さやか 長崎大学, 保健・医療推進センター, 技術職員 (80629171)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 集団認知行動療法 / 肥満 / タイプA行動パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,肥満改善に有効な認知行動療法プログラムの開発とその効果検証を行うことである。これまで①タイプA行動パターン(Type A Behavior Pattern:TABP)かつ食行動異常のダブルリスクを有する者は,肥満リスクが極めて高いこと,②肥満者への3ヶ月の集団認知行動療法により,体重が約3kg減量することを示した。これらの結果より,心理行動特性に焦点をあてたプログラムを構築することで,既存の集団認知行動療法よりも高い減量効果が得られる可能性がある。本研究では,肥満に対する既存の集団認知行動療法(Group Cognitive Behavior Therapy:GCBT)に,TABPコントロールおよび食行動変容をプログラムに加えた新たな減量プログラムを作成し,効果検証をおこなう。 研究実施状況として,平成28年7月には横浜で行われた第31回国際心理学会議(The 31st International Congress of Psychology)にて学会発表を行った。平成28年11月には,職員健康診断にてメタボリックシンドロームおよび予備群と診断された者389名に文章による案内文を送付した。介入参加希望者にインフォームド・コンセントを実施し,文章にて同意を得ることができた16名に対し,平成28年12月から平成29年2月にかけて,12週間(3ヶ月)の介入を実施した。3ヶ月の介入後,個別保健指導および心身医学的評価をおこなった。 今後は介入前,介入後の各時期で行った心身医学的評価について,統計解析を行い,本プログラムの効果について,効果検証を行う予定である。統計解析終了後,速やかに研究成果をまとめ,論文投稿を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年7月には,横浜で行われた第31回国際心理学会議(The 31st International Congress of Psychology)にて学会発表を行った。現在,TABPと肥満の関連についての論文を作成し,国際誌へ投稿している最中である。 平成27年度において予定より介入参加希望者が少なく,平成28年度もリクルートを継続したため,補助事業期間を延長することになったが,平成28年度は介入参加希望者を予定通り得ることができた。具体的には,平成28年11月に職員健康診断にてメタボリックシンドロームおよび予備群と診断された者389名に文章による案内文を送付した。介入参加希望者にインフォームド・コンセントを実施し,16名の同意を得ることができた。同意を得ることができた16名に対し,平成28年12月から平成29年2月にかけて,12週間(3ヶ月)の介入を実施した。これらのことから, おおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在,これまで明らかにしてきた研究結果(肥満とTABPの関連)をまとめた論文を国際誌へ投稿している最中である。平成29年度は,論文の採択を目指す。 平成28年度に介入終了した16名に対し,平成29年8月に6ヶ月後のフォローアップ,平成30年2月に1年後のフォローアップの個別保健指導および各種心身医学的評価をおこなう。早食い,TABPコントロールをプログラム内容に含む集団認知行動療法は,通常の個別保健指導のみに比べて,減量効果が高いことを検証するため,統計解析は主として群(個別保健指導,個別保健指導+G-CBT)× 期間(介入前,介入後,6ヶ月後,1年)の分散分析と多重比較をおこなう予定である。 平成29年度の後半は,研究の総括をおこない,社会貢献のため,研究結果について学会発表および国際誌へ投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
平成27年度本介入への参加者が予定していた人数より少なく,平成28年度も参加者のリクルートを継続した。平成27年度参加者の1年後の各種検査代金が予定していたより少なかったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度参加者の介入6ヶ月後, 1年後のデータが集まり次第,速やかに各種検査の解析をおこなう予定である。各種検査費用および論文校正費に使用する。
|
Research Products
(2 results)