2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870455
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野口 倫子 鹿児島大学, 獣医学部, 助教 (40506721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミニブタ / エストロジェン / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタは、主な薬物消失過程である代謝の経路において、ヒトとの類似点が多いことから、薬物代謝モデルとしての有用性が期待されているが、いまだ不明瞭な点も多い。そこで、本研究では、世界最小の国産ミニブタ(Microminipig; MMpig)のエストロジェン代謝に関与する酵素およびマイクロRNAを同定し、その生物学的意義を解明する。 当該年度は、持続性エストロジェン製剤であるエストラジオールプロピオン酸エステル(EDP)投与後のMMpigにおける末梢血漿中エストロジェン代謝産物の濃度変化の解析および肝臓における主要代謝酵素(CYP3A29, CYP2A, SULT2A1, HSD17β3)の遺伝子発現解析を行った。卵巣摘出を行ったメスMMpigについて、EDP投与後の体内エストラジオール17βおよびエストリオールの推移を調査した結果、エストラジオール17β濃度はEDP投与後1から4日目にはEDP投与前に比べ有意な高値を示した(P<0.05)が、5日目のエストラジオール17β濃度は投与前の濃度と有意差を認められなかった。末梢血中エストリオール濃度は試験期間を通じて有意な変化を認めなかった。また、肝生検により得られた肝臓組織のEDP投与後の遺伝子発現は、投与後5日目において投与前に比べて抑制される傾向(P=0.09)が認められたが、他の遺伝子発現動態はEDP投与により変化を認めなかった。以上の結果から、MMpigにおけるエストラジオール17β代謝には、少なくとも硫酸抱合反応が関与していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に準じた試験が遂行されており、研究はおおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、末梢血中E2濃度変化に伴うMMpig肝臓における主要代謝酵素の遺伝子発現(CYP3A22, CYP1A1, UGT1A1)の解析を進めるとともに、代謝に係わる遺伝子発現に影響を及ぼすマイクロRNAの発現動態の選定および解析を行う。
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Causes of Carryover |
測定を予定していたホルモン測定キットの販売中止に伴い、代替品の購入が行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、主にホルモン測定に用いる物品費として使用する。
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