2014 Fiscal Year Research-status Report
顔表情認知に関与する2つの神経経路のダイナミクス特性の解明
Project/Area Number |
26870465
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
篠崎 淳 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30510953)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 母親顔 / 顔表情認知 / 紡錘状回 / 多ボクセルパターン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、顔表情認知に関与する2つの経路(「すばやく粗い」神経経路と「遅くて緻密な」神経経路)の重み付けが、対象が母親か他者かによって変わりうるか、そのダイナミクス特性を明らかにすることである。 顔表情認知には、「すばやく粗い」神経経路と「遅くて緻密な」神経経路の両方が関与していることが先行研究にて示されている。応募者はこれまでに顔表情認知の中で母親顔に注目して処理過程を検討し、1)自身の母親の笑顔を認知する際に「すばやく粗い」経路に関与する前頭前野が賦活すること、2)自身の母親の笑顔は対照の笑顔よりも「すばやく」認知できることを見出した。これらのことは、母親の笑顔認知の際には「すばやく粗い」経路に重きがおかれている可能性を示している。2つの経路に対する重み付けが母親顔とそれ以外で変わることが明らかになれば、顔表情認知においてこれらの経路を調整している神経機構の存在を提言できる。 平成26年度については、各種帯域通過フィルタを適用した顔表情写真を用いた機能的MRI実験を行った。母親の笑顔・真顔・怒り顔写真と友人の笑顔・真顔・怒り顔写真に、6 cycle/imageのローパスフィルタを適用した。また、24 cycle/imageのハイパスフィルタを適用した。これらを見ているときの脳活動について、被験者17名を対象に測定した。 一般線形モデルを用いた解析では、紡錘状回がハイパスフィルタ画像で活性化した。「遅くて緻密な」処理を紡錘状回が担っていることは先行研究に一致する。また、多ボクセルパターン解析を用いた結果、左側紡錘状回が、母親か友人か、笑顔かどうか、粗い画像かどうかの各モダリティの弁別を行っていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
fMRI実験については、充分な被験者数を確保し、実施した。また、多ボクセルパターン解析を行った。今後さらに、searchlight解析や、行動データの解析などを行う必要がある。また、視線計測についても今後実施を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
fMRIデータについては、行動データのまとめ、および脳活動についてsearchlight解析を試みる。さらに視線計測の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた視線計測について遅れが生じているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
視線計測についての機器補充および被験者謝金
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Modulation of Alpha Activity in the Parieto-occipital Area by Distractors during a Visuospatial Working Memory Task: A Magnetoencephalographic Study2014
Author(s)
Ichihara-Takeda S, Yazawa S, Murahara T, Toyoshima T, Shinozaki J, Ishiguro M, Shiraishi H, Ikeda N, Matsuyama K, Funahashi S, Nagamine T
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Journal Title
Journal of cognitive neuroscience
Volume: 27
Pages: 453-463
DOI
Peer Reviewed
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