2014 Fiscal Year Research-status Report
中卒就職者のライフヒストリーからみる学校教育の意義と課題
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26870467
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
八木 美保子 岩手県立大学, その他部局等, 講師 (50460035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中学校 / 職業指導 / 集団就職 / ライフヒストリー / 岩手県 |
Outline of Annual Research Achievements |
岩手県葛巻町において、1960年代に中学校を卒業した後に関東地方に就職した方々5名と、当時中学校の教員をしていた方にインタビューを行った。了承頂けた方については、必要に応じて2~3回行い、職業指導に関わる内容、また就職するまでの過程、その後現在に到るまでのライフヒストリーを聞き取った。教員に対しても、1960年代の職業指導に関わる実践の聞き取り、教員としてのライフヒストリーの聞き取りも行った。実践に関わる資料もお借りした。全ての聞き取り内容は、了承を得た上で記録をとり、文字起こしを行った。これらの成果について、一部論文にまとめ、公表した。岩手県葛巻町において1960年代半ばに中学校を卒業し関東地方に就職をした方々にとって、卒業後に関東地方に就職することは当時自明のこととして認識されていたこと、就職先の選択肢は教員の教育的な配慮(生活環境、労働環境、教育機会の有無等)のもとでの選択を経て紹介されていたこと、就職先には葛巻町と何らかの関係のある企業が多かったこと等が明らかになった。(「高度経済成長期における中学校職業指導の実態-岩手県葛巻町での聞き取り調査をもとにした事例研究ー」『人間文化創成科学論叢』第17巻(2014)) その他、1945年から1970年頃までの職業指導に関わる資料も収集を続けている。特に雑誌『職業指導』については途中欠巻はあるものの当該時期の刊行分を網羅的に収集することができつつある。岩手県に関する資料としては、当該時期における地方紙(岩手日報)の確認、『岩手年鑑』『教育研究岩手』『岩手県教育史資料』などを継続的に分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葛巻町出身者以外の聞き取り調査対照に現在のところ接触できていないため。岩手県内の地域設定を柔軟にする、あるいは場合によっては他県での聞き取り調査も視野にいれ調査を進めていこうと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
資料分析と聞き取り調査を継続していく。 資料については引き続き収集と分析を継続する。また、聞き取り調査については、現在二戸並びに一関で教員をしていた方々への聞き取りを打診中である。葛巻町での調査をより深めるため、同時期に葛巻で教員をしていた方、中卒就職経験者の方への聞き取りも引き続き模索する予定である。 なお、岩手県との比較のため、可能な限り他県での調査も試みたい。
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Causes of Carryover |
計画していた資料収集(1回)が日程の都合で実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度資料収集・聞き取り調査によって使用する予定である。
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