2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期のアフォーダンスの可視化ー拡張現実を用いた生活環境アプリケーションの提案
Project/Area Number |
26870473
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西崎 実穂 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (90610957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフォーダンス / 可視化 / 乳幼児 / 生活環境 / 生態学的アプローチ / 発達 / 拡張現実 / モバイルアプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生後12ヵ月間の家庭環境における縦断的観察を基に,「家」における乳幼児期のアフォーダンスを明らかにすることを目的とした。アフォーダンスを実証する手法として,本研究では拡張現実(Augmented Reality)技術を用いた可視化を提案し,実際の生活環境の中で乳幼児期の身体―環境のよりよい相互関係を試行するアプリケーションの開発と検証を行った。 本年度(平成27年)は,(1)初年度(平成26年)に開始した東京在住とポルトガル在住の乳幼児の各家庭における生後4~12ヶ月までの縦断的観察の継続を行い,13名の映像記録(日本:7名,ポルトガル:6名)を収集した。(2)収集した映像記録から,乳幼児が直に接した家の中のモノを3種(家の構造物,家具,日用品等)に分類し,プロトタイプの段階として利用頻度と住居の特徴を反映する10個(壁,戸,机,椅子,棚等)の月齢毎の場面を選択した。個人情報保護と行為―環境の特徴の明確化の目的から,映像を線画に描き起こし,アニメーション化した。(3)50個のアニメーションをAR動画としてモバイルアプリケーションに組み込み,iPhoneとiPad対応のアプリケーションを開発した。2種類のARマーカーの作成を試作し,精度を比較した。 結果,誰でも自分の環境の中で乳幼児のアフォーダンスをシミュレーションでき,乳幼児期の関心や行動の月齢毎の変化を知ることが可能となった。今後はさらに対象物数や動画数,これらの基となる観察データの質及び量を増やし,「家」という多様で複雑な生活環境における事故防止や発達促進の両面への貢献を検討する。
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