2014 Fiscal Year Research-status Report
中国ドキュメンタリー映画批評の空間およびネットワークの構築
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26870476
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 賢 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 助教 (50726487)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中国ドキュメンタリー映画 / 国際情報交換 / 東アジア / 記憶と記録 / 歴史と記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、本研究の準備期間と位置づけて研究活動をおこなった。 調査・資料収集の面においては、当初予定していた中国・北京、南京を訪れることはできなかったが、雲南をおとずれ(2014年8月)、映画監督・和淵氏、映画祭ディレクター易思成氏らにインタビューをおこない、現在の中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画をめぐる厳しい状況について話を聞くことができた。 一方、中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画研究のネットワーク構築の面においては、中国語映画圏に属するマレーシアを訪れ(2014年8月)、ドキュメンタリー映画「Village People Radio Show」上映会&討論会にコメンテーターとして参加し、映画監督・陳翠梅氏らと交流した。また、所属する首都大学東京中国文学研究室と共同でドキュメンタリー映画「異境の中の故郷」上映会&トークショーを主催し(2015年2月)、映画監督・大川景子氏、小説家・温又柔氏らとともに、中国語圏を含む東アジアにおける記録映像と歴史や記憶をめぐる問題について討論をおこなった。さらに、専修大学で開催されたドキュメンタリー映画「星火」上映&討論会にコメンテーターとして参加し、現代中国史を探究する方法としてのドキュメンタリーの可能性について討論した。こうした活動を通して、大陸中国に限らない東アジアという範囲において、国内外の映画関係者・研究者によるネットワークの構築の準備が進みつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近年、中国のインディペンデント映画をめぐる環境は非常に厳しく、本研究が重要視する中国国内における映画上映イベントは軒並み中止となっているため、当初参加・調査を予定していた、北京、南京、雲南における映画祭に参加することができず、インタビュー調査を含む資料の収集が進まなかった。 また、所属研究機関の変更などにともなう諸般の業務により忙殺されたため、研究会活動や中国語文献の訳出といった活動が思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上映会+研究会活動をとおしたネットワーク構築の面において、自ら研究会を主宰することに拘らず、専修大学社会科学研究所土屋昌明グループなど、他の研究会活動と積極的に連携し、ネットワークの構築を目指していきたい。 また、これまでの研究活動をとおして、想像以上に中国のインディペンデント・ドキュメンタリー映画を視聴する機会が限られていることが分かったため、今後は映像資料の収集に力を入れ、視聴の機会を増やし、研究活動の基盤をつくっていきたい。
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Causes of Carryover |
当初、調査・資料収集のために参加を予定していた中国・北京、南京、雲南における映画祭が開催中止となってしまい、旅費を支出することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国のインディペンデント・ドキュメンタリー映画を視聴する機会を増やすため、映像資料の収集に力を入れることを予定している。
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Research Products
(1 results)