2018 Fiscal Year Annual Research Report
Building the space and network of Chinese documentary film critique
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26870476
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
佐藤 賢 明海大学, 外国語学部, 講師 (50726487)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドキュメンタリー / 中国映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、次の研究をおこなった。 研究計画に基づき、本研究の総括の年と位置づけ、研究成果の発表と国際ワークショップの開催に力を入れた。 中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画の歴史を振り返ると同時に近年の動向にも言及する論考を発表した。 また、2019年2月には、中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画に関する国内初の学術専著である著書『中国ドキュメンタリー映画論』(平凡社)を上梓し、1990年の中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画の誕生から約20年間における監督・作品・上映の状況について、「人的ネットワーク」を主軸に置きながら、撮影機材の物理的な変化と中国の思想的な変化、さらにドキュメンタリーと詩表現の関係性などの観点を含めて考察した。 さらに、2019年3月には、ドキュメンタリー映画監督・和淵氏を招請して国際ワークショップ「中国ドキュメンタリー映画の歴史と現在」を開催した。2000年代は小型のデジタルビデオカメラの普及と中国各地で展開した「映画を見る運動」が中国ドキュメンタリー映画運動において重要な役割を果たした。和淵氏は、2000年前後の雲南における「映画を見る運動」に参加し、現在は中国ドキュメンタリー映画批評誌『電影作者』の編集にもかかわる中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画制作・批評の「人的ネットワーク」の中心人物である。和淵氏の基調報告をもとに、中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画の歴史を振り返るとともに、さまざまな困難の中で独立的な表現をおこなう中国ドキュメンタリー映画の現状について議論し、将来を展望した。
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