2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者に対する入院時環境調整看護ケアの安全対策指針の検討
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26870482
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
辻 容子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (80460103)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 環境調整 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から計画していた,入所後まもない時期に起こる高齢者の転倒予防対策を検討するために実験を行った.高齢者がはじめて訪れた老人福祉施設内を歩行した時の情報入力内容の特徴を,視線計測と施設内の情報把握として認識した内容を明らかにすることを目的とした.対象者は自宅で生活されている,調査施設に来所したことのない方とした.また,視覚・聴力機能に異常がなく,自立歩行が可能な方(平均年齢70代,要支援1~2)29名であった. 結果は,施設内の情報把握として認識された内容でもっとも多かったのは,1回目に歩いた時よりも2回目は視野が広がったとの意見であった.トイレの場所について,把握していない方は6人おり,そのうちの2名はトイレに行きたくなかったから確認しなかったとの意見であった.その他の方はトイレの箇所について,フロア内にある一部を把握していた.すべての場所を把握していた方は2名であった.その他,施設内で印象に残った事は,病院と違い廊下が広く窓も多くて明るい.洗面所が広くて使いやすそう.談話室はゆったりとした時間が流れ穏やかであり,イメージしていた施設よりも好印象である.一部廊下のスペースにある物品が気になった.等の意見があった.主観的評価の結果より,生活に必要とされる場所については,使用頻度の高い場から説明をはじめ,使用したい時に困惑せぬよう対象者が使用しやすい場を来所時から印象づけることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
施設での計測を終え,次年度の学会発表に向けての準備を進められた.
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Strategy for Future Research Activity |
計測した内容について客観的評価の分析を進め,実施施設の職員の方々と主観的評価と客観的評価を共有する.施設職員と転倒予防に必要な環境調整内容を検討し,新たな転倒予防対策を試みる.そして,学会発表を行い視野を広げた考察を深める.
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Causes of Carryover |
実験機器の不具合などなく,当初の予算の枠とした修理費用などの支出が不要となった.また,今年度学会申請予定分を次年度に繰り越すこととなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度,施設職員と事例検討会を開催予定であり,研究協力者への謝金,開催に必要なプロジェクター等の物品に使用する予定である.実施施設への交通費,学会参加費をはじめ旅費・宿泊費に使用する予定である.
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