2014 Fiscal Year Research-status Report
新生児・乳児胆汁うっ滞に対する新しい診断ストラテジーの確立
Project/Area Number |
26870489
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 時雄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10381881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胆汁うっ滞 / 網羅的遺伝子解析 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、次世代シーケンサーの登場により短時間で多量の塩基解読が可能となった。現在のところ胆汁うっ滞に対してNGSによる網羅的遺伝子解析が行われた報告はない。我々は次世代シーケンサーを用い、胆汁うっ滞の患児に対し多数の遺伝子を網羅的に解析するシステムを構築した。次世代シーケンサーにより早期に確定診断がつき、胆道閉鎖が否定されれば、不必要な開腹手術を回避することができる。新生児・乳児期に胆汁うっ滞を認めた症例を全国から集積し、これまでに計99名を解析した。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(ATP8B1 ,ABCB11 ,ABCB4)、シトリン欠損症(SLC25A13)、先天性胆汁酸代謝異常症(AKR1D1,HSD3B7,CYP7B1)、アラジール症候群(JAG1,NOTCH2)、家族性高胆汁酸血症(TJP2,BAAT,EPHX1)、Dubin-Johnson 症候群(ABCC2 )など19遺伝子からなる胆汁うっ滞遺伝子パネルを作成した。次世代シーケンサーのIon PGMで塩基解読を行った。Alagille症候群8名(JAG1 7名,NOTCH2 1名),進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1(ATP8B1 )3名,進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2(ABCB11)3名,シトリン欠損症(SLC25A13 )4名,Dubin-Johnson 症候群(ABCC2 )3名の計21名で病原性変異を検出した。臨床的には特徴的な症状を示しても、今回の遺伝子解析で明らかな病原性変異を認めない症例も存在した。新生児・乳児期における胆汁うっ滞の原因は遺伝学的異質性が高いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全国から解析依頼が増え、検体数が予想より多くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで次世代シーケンサーを用いた既知遺伝子解析で、原因が特定できなかった症例を対象とし、4813遺伝子を包括的に解析できるTruSight Oneシーケンスパネルを用い、原因遺伝子を特定する。また、シーケンスパネルで原因が同定できなかった症例を対象に、全エクソンシーケンスを行い、原因遺伝子を特定する。
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Causes of Carryover |
全国から依頼検体数は増えているが、まだ未解析の検体が多いため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに遺伝子パネルを作成し、網羅的遺伝子解析を行う。また、国内、国際学会で発表するための旅費に使用する。論文を投稿する際の英文校正に使用する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Viral Load Before and After Exchange Transfusion in a Neonate with Hyperbilirubinemia and Congenital Cytomegalovirus Infection.2014
Author(s)
Ohashi K,Ito K, Endo T, Sugiura T, Awaya R, Goto T, Nagaya Y, Ueda H, Nagasaki R,Kato T, Saitoh S.
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Journal Title
J Clin Case Rep
Volume: 4
Pages: 343-344
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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