2016 Fiscal Year Research-status Report
社会的認知理論を応用した親子防煙教育プログラムの開発
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26870492
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
川端 智子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (10599666)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 喫煙防止教育 / 未成年 / 社会的認知理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
未成年の喫煙要因および喫煙抑制要因に関する文献検討を実施した。 未成年の喫煙要因および抑制要因はどのようなものがあるのかを,社会的認知理論の枠組みを用いて明らかにすることである。医学中央雑誌Web Ver5およびPubMed,CINAHL の検索システムを利用して未成年の喫煙の要因に関する過去約10年間文献を抽出し,検討した。 未成年の喫煙要因および喫煙保護要因を、社会的認知理論を用い整理することで、以下のことが明らかになった。(1)未成年の喫煙防止教育を効果的に行うための背景として、社会全体として子どもを喫煙から守るための環境整備、良好な親子関係、子どもをサポートする立場にある親の、健康や喫煙に対する正しい知識が重要であることが明らかになった。(2)喫煙防止教育においては、ストレスマネジメントや感情コントロールの方法についても合わせて教育していく必要性があることが明らかになった。(3)日本人への喫煙防止教育は、能動喫煙と同じぐらい受動喫煙を丁寧に扱うこと、喫煙の勧誘に対して断る自己効力感を高めることが重要であることが明らかになった。(4)日本人を対象とした研究では明らかにされていない喫煙要因および喫煙保護要因においても、量的に調査を行い、要因間の因果関係を明らかにし、短時間で効果的な喫煙防止プログラムを開発する必要があると考えられる。 次に、上記文献研究で明らかになった喫煙要因および喫煙抑制要因をもとに、その要因間の関係および、喫煙開始年齢低下との因果関係について調査を行い、未成年を対象とした喫煙防止教育プログラム開発のための喫煙要因の因子構造および喫煙開始年齢低下との構造モデルを明らかにするために現在量的な研究に取り組んでいる。 質問紙調査を実施し、現在結果の解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画は、親子喫煙防止教育プログラム案の作成であった。文献検討をもとに、社会的認知理論を用いて、未成年の喫煙防止に関連する要因および喫煙を抑制するを明らかにした。それをもとに量的研究で、未成年の喫煙開始に影響する要因の因果関係を明らかにすることで本研究のプログラム案のエビデンスとなると考える。 現在、データを解析中であり、これをもとに親子喫煙防止教育プログラム案を作成する予定であり、計画はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、親子喫煙防止教育プログラム案をもとに、小中学生に介入研究を実施し、プログラムの有効性の検証および、プログラムの修正を行う予定である。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇および育児休暇により、研究を延長したため当初の年度当たりの使用額より多い額の交付となっている。今後3年間に計画的にしようするために、次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入研究に伴う被験者への謝金や、教育教材費等に使用する見込みである。
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