2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞間コミュニケーションの制御を軸とした関節リウマチの新たな治療戦略
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26870493
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| Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
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Principal Investigator |
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 関節リウマチ / ギャップ結合 / 滑膜炎 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ヒト関節リウマチ（RA）滑膜組織におけるCx43の発現を検証した．
対象は，RA患者8例，変形性関節症（OA）患者5例，および関節外に生じた骨肉腫患者1例とした．それぞれRA群，OA群，およびnormal群とし，患者背景を調査した．手術時に採取した滑膜組織におけるCx43およびTNF-αの遺伝子発現を解析し，Cx43の免疫染色で組織学的に検討した．
RA群におけるCx43の遺伝子発現は，OA群，normal群と比較して明らかに高く，TNF-αの遺伝子発現が高い滑膜組織ほどCx43の発現も高かった．RA群におけるすべての滑膜組織で，滑膜細胞は増殖し，炎症性細胞は浸潤していたが，OA群およびnormal群で炎症性細胞をほとんど認めなかった．Cx43に対する染色性は，RA群の滑膜表層細胞で高かったが，OA群およびnormal群の滑膜組織において，Cx43抗体で染色された細胞はほとんどなかった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節リウマチ症例から手術時にサンプリングしてコネキシンの発現解析を行っている．研究実績の概要のごとく一定の成果を得たものの，手術となった症例が研究計画当初より少なかったため，統計解析に十分な症例数ではない．来年度もさらなる サンプリングが必要であり研究期間を延長している．
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度も手術時から得られる関節組織のサンプリングを増やし，connexin 43の発現解析をすすめる．さらにヒトRA滑膜線維芽細胞（synovial fibroblasts: SFsと略）におけるconnexin 43の発現抑制による炎症性サイトカインに対する影響を検証する．採取した滑膜組織からRASFsを単離培養し，connexin 43の抑制実験を行う．RASFsにconnexin 43に対するsmall interfering RNA（siCx43と略）を導入し，炎症性刺激としてtumor necrosis factor（TNFと略）-αを添加する．対照細胞にはnegative control siRNA（siNegと略）を導入し，RASFsにおけるCx43，TNF-α，およびInterleukin（ILと略）-6の遺伝子発現をreal time RT-PCR法で，培養上清中に分泌されたタンパク量をELISA法で測定する．これによりヒトRASFsにおけるCx43の炎症性サイトカインに対する役割を明らかにする．
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| Causes of Carryover |
関節リウマチ症例から手術時にサンプリングしてconnexinの発現解析を行い，一定の成果を得たが，手術となった症例が研究計画当初より少なかったため，統計解析に十分な症例数ではないため，来年度もさらなるサンプリングが必要であり，1年の研究機関を延長する．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度も手術時から得られる関節組織のサンプリングを増やし，connexin 43（Cx43）の発現解析をすすめる．また，ヒトRA滑膜線維芽細胞（RASFs）におけるCx43の発現抑制による炎症性サイトカインに対する影響を検証する．採取した滑膜組織からRASFsを単離培養し，Cx43の抑制剤使用下に炎症性刺激を添加する．RASFsにおけるCx43，TNF-α，およびInterleukin-6の遺伝子発現をreal time RT-PCR法で，培養上清中に分泌されたタンパク量をELISA法で測定することによりヒトRASFsにおけるCx43の炎症性サイトカインに対する役割を明らかにする．そのために必要な直接経費（培養実験材料費80000円，分子生物学実験材料費80000円，組織実験材料費80000円，その他43445円を計上する．
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| Remarks |
学振助一第748号で日本学術振興会理事長より通知：補助事業期間延長承認及び日本学術振興会承認年月日：平成28年3月31日
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