2016 Fiscal Year Annual Research Report
A method for generating molecular-targeting tools: Protein kinase-oriented library based on conformationally constrained peptide
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26870503
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
藤原 大佑 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30611420)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ライブラリー / プロテインキナーゼ / ファージディスプレイ / ペプチド / 阻害剤 / オーロラキナーゼ / 細胞膜透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、プロテインキナーゼ(以下PK)を標的タンパク質とした特異的分子ツール設計法の確立を目的とする。これまでに、PK指向型マイクロ抗体ライブラリーを構築し、オーロラキナーゼA(以下AurA)選択的な二価阻害剤アデノシン(Adc)-Bip-3を創出した。平成28年度は、Adc-Bip-3への細胞膜透過性付与を試みた。(1)マイクロ抗体Bip-3を土台としたBip-3低分子化ペプチドとしてcH-Bip-3a(b)を設計し、(2) 化学的に合成して立体構造を調べた。 (1) 架橋剤Bphはペプチド鎖のi, i+6番目のシステイン側鎖をビスアルキル化反応により架橋することで、安定な1本鎖ヘリックス構造をもつペプチドが作製できる(Chem. Commun. 2011, 47, 9396.)。ヘリックス-ループ-ヘリックス構造をもつBip-3のC末端側ヘリックス部位がAurAを認識する。この15残基ペプチドをBphで架橋したヘリックスペプチドを設計した。 (2) i, i+6番目のロイシンをシステインに置換した2種のペプチドcH-Bip-3a (Ac-KCEYLKWKCWPLKGW-NH2)、cH-Bip-3b (Ac-KLEYCKWKLWPCKGW-NH2)、また土台分子由来のcH-YT1(Ac-KLAACALAALACKAY-NH2)を、それぞれFmoc固相合成法により合成した。これらの合成ペプチドをBphと反応させて環状化ペプチドを合成した。CDスペトル測定により、ペアレントペプチドYT1を土台としたcH-YT1はヘリックス構造を保持したが、cH-Bip-3aとcH-Bip-3bはともにヘリックス構造をもたなかった。 (1)(2)より、細胞膜透過性付与を目的としたBip-3のAurA結合領域のダウンサイジングには、より最適な分子内架橋方法が必要なことが明らかとなった。
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