2014 Fiscal Year Research-status Report
油脂生産酵母による革新的な環境調和型バイオディーゼル燃料生産プロセスの開発
Project/Area Number |
26870504
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40608626)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオディーゼル燃料 / 酵母 / 遺伝子組換え / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化や化石燃料の枯渇という問題を解決し、持続的に循環可能な社会を形成するため、バイオマス資源から作られるバイオ燃料が世界中で利用されている。特に、軽油の代替バイオ燃料であるバイオディーゼル燃料は、欧州や米国を中心に利用されている。これに対して、日本ではバイオディーゼル燃料の生産量、消費量は非常に少なく、他国と比較して普及が大幅に遅れている。従って、バイオディーゼル燃料を安価かつ安定的に製造する技術の開発が急務となっている。本研究では、油脂生産酵母により生産された油脂を、環境に優しい酵素法によりバイオディーゼル燃料へと変換する革新的な環境調和型バイオディーゼル燃料生産プロセスの開発を目的とした。 今年度は油脂生産酵母の油脂生産性強化、油脂生産酵母培養条件の最適化、および油脂生産酵母の遺伝子組換え系の開発を行った。油脂生産性の強化に関して、油脂生産酵母に突然変異を導入することにより、油脂生産量を約10%、油脂生産速度を約7倍向上させることに成功した。また、油脂生産培養条件を最適化することにより、油脂生産量を維持したまま、油脂生産速度を約1.6倍向上させることに成功した。油脂生産酵母の遺伝子組換え系の開発に関して、油脂生産酵母に対して有効な薬剤の種類およびその濃度に関して検討を行った。さらに、効果のあった薬剤に対する耐性遺伝子を酵母の染色体上に導入し、薬剤耐性酵母の取得に成功した。現在、様々な遺伝子を発現させるためのプラスミドベクターの構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
油脂生産酵母の油脂生産性強化および培養条件の最適化に成功しているため。さらに、油脂生産酵母の遺伝子組換え系を開発し、様々な遺伝子の発現の準備も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
凍結乾燥などの物理的処理、酸やアルカリなどの化学的な処理、及び油脂作物に適用される通常の抽出法を組合せ、その操作条件を最適化することにより、油脂生産酵母に適した油脂抽出法を確立する。また、油脂生産酵母の培養から、油脂の抽出、バイオディーゼル燃料への変換のプロセスを一貫して行い、その律速段階や問題点を検証する。さらにその律速段階や問題点を改善することにより、プロセスを最適化し、生産効率を向上させる。
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