2015 Fiscal Year Research-status Report
フルクトース摂取によるNASH発症のリスク評価および病態発症メカニズムの解明
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26870513
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
山元 涼子 熊本県立大学, 環境共生学部, 助手 (50580429)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NAFLD / NASH / フルクトース |
Outline of Annual Research Achievements |
フルクトースの摂取はNAFLDさらにはNASH発症の危険因子であると考えられているが、フルクトース誘発モデルはNASH病態モデルとして一致した見解が得られていない。本研究ではフルクトース誘発NAFLDモデルを作成し、フルクトースの慢性的な摂取に伴うNASH発症のリスク評価ならびに単純性脂肪肝からNASH発症のメカニズム解明を目的とする。 従来の報告では実際の食生活では考え難い濃度で検証がされていたため、本研究では清涼飲料水の濃度を考慮した濃度設定で検討を行った。26年度までに12週間の投与で検討を行った結果、NASHに至らなかったことから、27年度はさらに16、24週の長期飼育を行った。しかし、24週投与でもNASHには至らなかった。さらに単純性脂肪肝にも至らなかった。一方で、肝臓組織学的検査の結果、フルクトースの長期投与によって肝臓への炎症細胞の浸潤が認められた。清涼飲料水程度の濃度のフルクトース単独摂取ではNASHには至らないが、炎症を惹起する可能性を示唆する結果が得られたことから、今後、炎症の観点からフルクトース摂取とNASHのリスクに関して検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度の時点で飼育設備の問題から動物実験が遅れていたため、27年度も26年度の遅れが影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、フルクトース単独摂取ではNASHに至らないことが明らかとなったが、炎症を惹起する可能性を示唆するデータがえられた。そこで、今後はフルクトース摂取と炎症の観点から既存のNASHモデルとの遺伝子発現等の差異について解析を行い、NASH発症のメカニズム解明を目指す。
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Causes of Carryover |
研究が遅れていたため、予定していた試薬を年度内に購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬購入費に使用する。
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