2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a distortion and intensity inhomogeneity correction system for the precise longitudinal brain morphometry using MRI
Project/Area Number |
26870523
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山下 典生 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90628455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MRI / 歪み補正 / 信号むら補正 / 縦断解析 / 脳体積解析 / ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はMRIを用いた精度の高い縦断的脳体積解析の系を確立し、認知症診断および今後の脳画像研究に貢献する事を目的としている。最終年度である平成28年度は、これまでの検討により幾何歪みと信号むらの補正効果を実証した1.5、3、7テスラ装置に加え、0.4テスラの低磁場MR装置での補正効果を検証した。 本研究で開発した球形ファントム(PCT/JP2015/8350)を日立社製0.4テスラMR装置で撮像し、 SPGR系、MPRAGE系の3DT1強調画像を得た。自動解析ソフトウェアを用いてファントム画像を解析して幾何歪みと信号むらの補正を行い、補正前後での比較を行った結果、幾何歪みについて、SPGR系、MPRAGE系で補正前の位置ずれの中央値がそれぞれ0.56mm、0.71mmであったのに対し、補正後はどちらも0.11mmとなり有意に減少していた(p<0.001、Wilcoxon signed-rank Test)。また、信号むらについて、中心球の平均信号値を1とした場合の基準構造の平均信号値の差分が、SPGR系では補正前中央値0.08、MPRAGE系で0.06であったのに対して、補正後でそれぞれ0.01と0.02となり、有意に減少していた(p<0.001、Wilcoxon signed-rank Test)。これらの結果より、0.4テスラ低磁場MRIにおいても、本手法による幾何歪みと信号むらの補正効果が実証されたと考えられた。 これまでの研究成果により、本手法が現在一般的に利用可能なほぼ全ての磁場強度のMR装置に対して有効であることが実証されたと考えられる。今後、健常ボランティアの撮像を行なって研究成果を論文化する予定である。
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