2017 Fiscal Year Annual Research Report
Describing geographical health disparities and its associated factors with governmental statistics
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26870531
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
坪井 聡 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20453011)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疾病地図 / 公的統計 / 記述疫学 / 生態学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、総死亡と対象疾患(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎、腎不全、自殺)による死亡リスクを市区町村別に地図上に示した、いわゆる疾病地図を作成し、さらに、総死亡のリスクと対象疾患による死亡リスクの地域格差と関連する要因を検討することを目的としている。 本研究は、平成26年度から平成29年度の期間に行われた。平成26年度には、対象疾患による死亡について、市区町村単位の疾病地図を作成した。平成27年度には対象疾患の死亡リスクの地域差と関連を持つ要因を検討するためのデータシートを作成した。平成28年度には、当該研究期間中に公表された2015年国勢調査と人口動態統計を用いて、前年に作成したデータシートに修正を加えた。平成29年度には、対象疾患を広げ、各疾患による死亡リスクと人口千人あたりの医師数との関連を検討した。 本研究によって、わが国の基幹統計の一つである人口動態統計を用いて、様々な疾患を扱った疾病地図を複数年分作成し、その経年変化を考慮した死亡リスクの地域格差の状況を視覚的に示すことができた。また、死亡リスクの地域格差と各市区町村の医師数との関連についても検討することができた。死亡リスクの高低がある程度固定化された市区町村が散見され、その要因についてさらなる検討が必要と考えられた。また、人口千人あたりの医師数が比較的少ない市区町村間では死亡リスクの変動が大きく、当該市区町村における医師の役割についてもさらなる検討が必要である。 本研究の成果は、日本における健康の地域格差を検討し、日本の公衆衛生を発展させる基礎資料として利用することができる。
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