2015 Fiscal Year Research-status Report
いじめ,ネットいじめ発生に対する意識とコーピングにおける6カ国比較研究
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26870535
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
青山 郁子 静岡大学, グローバル企画推進室, 特任准教授 (60586808)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ネットいじめ / いじめ / コーピング / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年前倒しで収集したデータを分析し対象6カ国における、いじめ、ネットいじめのコーピング、帰属原因の差を検討した論文にまとめ、2本を共著で発表した。その中で、対面式とネットいじめそれぞれにおいて、観衆の有無の違いによって被害者がどのように原因帰属をし、対処方略を選択しているのか性差と文化差(国間)を示した。日本国内において、多くのいじめ予防プログラムが海外から輸入されているが、文化差を十分に考慮し、各国の学校文化などに即した対応が求められることが今後の課題をして明らかになった。また以下の論文も、それぞれ別の雑誌に投稿中で査読後の修正依頼に応じて再投稿中である。1)Attributions and Coping Strategies for Public and Private Face-to-face and Cyber Victimization: Findings from Adolescents in Six Countries。2)Emotional responses to bullying among Japanese adolescents: Gender, context, and incidence visibility。2)の研究論文では、日本人被験者だけを抽出し分析を行い、いじめ被害に対する深刻度の認識と被害に伴い生起する感情の関連を明らかにし、従来から議論されていた、対面式いじめvsネットいじめの構図の矛盾点を指摘し、聴衆の有無(Public vs Private)がより、子どもたちにとって重要な点であるという新しい知見を示した。これらの研究で明らかになった結果は今後の、いじめ介入対策や予防プログラムの開発の際にエビデンスの基になるものである。最後に、学会発表も日本教育心理学会でポスター発表、シンポジウムでの発表、国際学会での発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4本の論文をすでに投稿でき、さらに2本の論文が投稿の準備状態で執筆中である。 国内外で学会発表や講演も複数回行い、研究成果を広く一般にも公表することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集、分析はすでにすべて終わっているので、現在投稿準備中の論文(2本)を完成させ、すべての研究論文の結果をまとめる書籍などで発表予定である。また今後、本研究課題の発展を目指し次の課題への準備を行う予定である。
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Causes of Carryover |
近年オープンアクセスジャーナルが増え、文献購入にかかる金額が当初の想定よりも低くなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度はまとめとして多くの論文を執筆投稿する予定なので英文校正などの費用に充てる予定である。
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