2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト糖原病Ia型iPS細胞における遺伝子修復法の確立と新規の病態解析
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26870544
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
城戸 淳 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70721215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖原病 / 疾患iPS細胞 / 遺伝子修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、糖原病Ia型患者由来iPS細胞において、遺伝子修復を行えるためのツールとしCRISPR/Cas9 システムを確立するために、addgeneよりCRISPRを発現するプラスミド(pX330 またはpX335)を購入した。この糖原病Ia 型患者由来iPS 細胞のGlucose-6-Phosphatase(G6PC)の遺伝子変異部位は、exon5のg727t であり、日本人の約90%のアレルで変異異常が報告されている。したがって、このexon5の遺伝子領域をターゲットできるpX330-G6PCとpX335-G6PCの作製を行った。 また、4 因子(Oct3/4,Klf4,Sox2,C-Myc)を搭載したセンダイウイルスベクターを線維芽細胞に感染させることにより作製したヒト糖原病Ia型iPS 細胞(GSDIa-iPSC)を獲得し、シークエンスで遺伝子変異部位の同定を行って、GSDIa-iPSCであることを確認できた。また、アルカリフォスファターゼ染色やNanog、Oct4、SSEA-4、Tra-1等による免疫抗体染色で糖原病Ia型iPS細胞であることの確認も行った。この細胞を免疫不全マウスに皮下投与することによって確認されるテラトーマ(外胚葉、中胚葉および内胚葉)形成能はまだ確認していない。 この作製したpX330-G6PCとpX335-G6PCによって、実際にGSDIa-iPSCのG6PCが、遺伝子修復が行えたかの検討は、現在進行中であり、遺伝子修復されたGSDIa-iPSCを簡易的に選別できるシステムが、現在の所、まだ確立できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
科学研究費若手Bを申請した当時は、埼玉医科大学ゲノム医学研究センター 遺伝子治療部門に在籍していたが、諸事情により、埼玉医科大学ゲノム医学研究センターを退職した。科学研究費若手Bが採択されたのは、熊本大学での採択となり、科研費を申請した当時の環境と比べて、研究環境が劇的に変化した。熊本大学では、非常勤診療医師という役職で研究できる場所を提供してもらい、一方で、熊本大学の関連病院で日々の診療に従事しながら、0から研究できる環境を作るために模索した。そのため、できる範囲の努力は行ったが、能力的にも、時間的にも、研究予定計画のようにすすめることはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、熊本大学小児科分野の診療助手として採用していただいたため、昨年度に比べて研究を行える時間が増える予定である。さらに、平成26年度より研究環境の整備も進み、平成27年度に予定していたように、ヒトGSDIa-iPSCおよびヒトWT-iPSCを肝臓へ分化誘導をかけて、成熟肝細胞の樹立を行う予定である。最初は、Umeda K.et al.2013 Stem Cell Res.10:179-194.で行われた成熟肝細胞の樹立のためのプロトコールを行う予定であったが、Soga M. et al.2015 Stem cells. 33: 1075-1088で行われた肝細胞分化のプロトコールを使用して、成熟肝細胞の樹立を行う予定である。このSoga M et al.による肝細胞分化誘導法では、分化誘導細胞の約80%がアルブミンを産生する細胞にすることが可能である。 また、iPS細胞からの肝細胞を、アルブミン産性能、グリコーゲンの蓄積、インドシアニングリーンの取り込みおよび放出能、ATP産性能、尿素分泌能、アンモニア除去能を検討し、成熟肝細胞であるか評価する予定である。 現在進行中のGSDIa-iPSCの遺伝子修復を行うCRISPR/Cas9 システムの確立では、どのiPS細胞が遺伝子修復できているかは不明であり、形成されたコロニーに対してすべてシークエンスを行なわければ、遺伝子修復ができているかの確認ができない。遺伝子修復されたGSDIa-iPSCを簡易的に選別できるシステムがまだ構築できていないので、他の研究グループの論文(Long C et al.2014 Science 345:1184-1188 等)を参考にしながら、簡易的に選別できるシステムを構築する努力を行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品費で100万円以上の支出があったため、間接経費を一部物品の購入費にあて商品を購入したが、その結果、17739円が直接経費で余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、もっと端数がでないように物品費を使う予定である。
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