2014 Fiscal Year Research-status Report
戦間期イギリスの国際博覧会におけるジェンダーと帝国
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26870552
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
佐藤 繭香 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (60433877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イギリス / 帝国 / 国際博覧会 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦艦期のイギリスにおけるジェンダーの文化的構築と帝国の関係性を、博覧会というスペクタクルを通して明らかにするものである。この研究では、1924年、1925年にロンドンで開催された大英帝国博覧会と1938年にグラスゴーで開催された大英帝国博覧会を主に取り上げるものであるが、平成26年度は、まず研究の出発点として、国際博覧会に関する二次文献を幅広く収集し、読み込むことを目的のひとつとしており、それについてはおおむね順調に進めることができた。 その他の目的としては、1920年代はじめに開かれていた女性をテーマにした商業的な博覧会についての史料を収集し、分析することであったが、これについては史料の収集までを行なうことができた。2月に英国での一週間の史料収集を行ない、ロンドンのウィメンズ・ライブラリーでは、20世紀前半に行なわれた女性をテーマにした商業博覧会の記事にあたった。また、公文書館では1924年の大英帝国博覧会関連の公文書を複写することにより、まとめて史料を入手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年度夏に行なう予定であった英国での調査が2月になったために、当初の研究計画通りに調査を行なうことができなかった。本研究の開始以前から取り組んでいた女性参政権運動の視覚的なプロパガンダに関する単著の準備に時間がかかったためである。イギリス女性参政権運動では、博覧会などもプロパガンダの場として利用されており、この本研究を進めていくなかで新たに分かったことなどもこちらの単著の方にも一部いれるなどしていた。そうした事情により、英国で得られた史料の細かい精読・分析は今後の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2月に行なった英国での一週間の資料調査で得られた史料の精読、分析を進めることによって、研究の遅れを取り戻したい。その後、その史料から分かったことをまとめ、学会発表の準備を行なう。また、当初の予定どおり、1924年、25年に行なわれた大英帝国博覧会に関する史料分析を進めるとともに、1938年にグラスゴーで行なわれた大英帝国博覧会に関する二次文献の収集、読解を行なっていく。同時に一次史料の収集についてもあわせて進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
英国への調査旅行を2月に行なうことになったため、英国までの出張旅費代だけでなく、英国で購入する図書などの物品購入にあてる金額を残しておいた結果、次年度使用額が生じてしまった。英国での史料収集で、複写代などがかかるのではないかというのが当初の目論みであったが、デジタルカメラによって史料を撮影することが可能だったため、複写代が想定していたよりもかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予算の使用計画としては、大英帝国博覧会関連の二次文献や『イブ』などの女性雑誌といった一次史料の購入を引き続き進めるとともに、次年度でも一週間から10日間の英国での史料調査を考えている。英国での史料調査(旅費および宿泊費)に主に予算を使用させていただく計画である。
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