2016 Fiscal Year Research-status Report
戦間期イギリスの国際博覧会におけるジェンダーと帝国
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26870552
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
佐藤 繭香 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (60433877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 博覧会 / ジェンダー / 帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦間期にロンドンとグラスゴーで開催された大英帝国博覧会を主に取り上げ、イギリス帝国の維持とその優位性を示して行く上で、イギリス女性の表象をどのように展示で使用したのかを明らかにすることである。 6月には、東京大学柏図書館に所蔵されている『ガス・ジャーナル』などの業界誌を調査した。8月には、英国での約2週間の資料収集を行なうことができた。グラスゴーとロンドンに赴き、特に、1938年にグラスゴーで行なわれた帝国博覧会の資料を中心に収集した。それだけでなく、1924年、25年の大英帝国博覧会に関する資料もあわせて収集した。グラスゴーでは、資料収集だけでなく、実際に博覧会が行なわれた会場跡地や現在残っている建物などもみる事ができた。帰国後は、主に前年度までの研究内容を中心に、The 10th International Conferences on Design History and Studies 2016 Taipeiにおいて1924年の大英帝国博覧会の展示におけるイギリス女性の表象についての報告の準備を進め、学会報告を行なった。その後、12月には、『ガス・ジャーナル』や8月の英国調査で収集してきた資料からの研究成果、そして1925年の大英帝国博覧会の展示についても内容を追加し、第13回ジェンダー史学会において学会報告を行なった。 本来であれば、今年度が研究の最終年度となるはずであったが、研究が当初の計画よりも遅れているため、研究期間の延長を申請した。来年度は、1938年の博覧会についての資料を読み込み、戦間期の大英帝国博覧会における女性たちの表象について研究成果をまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
役職者としての校務が予想以上に忙しく、今年度の研究計画の遅れにつながっている。当初の研究計画では、前年度に行なう予定であった英国での資料収集を今年度行なった。英国での資料収集を行なうことができたが、まだ集めた資料の全てを十分に調査することができていないため、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、学会での研究発表を2回、行なう事ができた。また、英国での資料収集も行なう事ができたため、今後は、英国で収集した資料の分析をまず行ないたい。1938年のグラスゴーで開催された大英帝国博覧会に関する資料の読解が進んでいないため、その研究を進め、その上で、研究全体をまとめ、研究成果を学会誌に投稿する予定である。
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