2017 Fiscal Year Annual Research Report
Gender and Empire through the British Empire Exhibiitons during inter-war Britain
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26870552
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
佐藤 繭香 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (60433877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 帝国博覧会 / 参政権 / ジェンダー史 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦間期のイギリスで開催された大英帝国博覧会に焦点を当て、イギリス女性の表象に着目しながら、1918年に一部の女性に選挙権が与えられてから1928年に普通選挙権を獲得するまでの戦間期の女性たちの活動や運動を明らかにするものであったが、そこには、20世紀初めに盛り上がった女性参政権運動後の活動家たちや女性組織の動きを把握するという目的もあった。イギリスの女性参政権運動史や女性史においては、概して、第一次世界大戦までが研究の層が厚く、戦間期はやや薄い。本研究では女性参政権獲得前と後の間をつなぐことを目指した。 1924年の大英帝国博覧会は、イギリス帝国の結束を高め、イギリスの貿易の活性化を狙ったものだった。帝国内の結束内を高め、イギリス帝国産の商品や生産物を宣伝するにあたり、イギリス女性たちには様々な役割が与えられた。この博覧会では「女性部門」が設立され、女性たちには海外からの訪問者をもてなすホステスとしての役割とイギリス帝国産の商品や生産物を消費する主婦としての役割が求められた。イギリス帝国の結束を高め、帝国の母国としてのイギリスを宣伝するために、伝統的なジェンダー役割が強化された。同時に、イギリス女性たちは、国際平和などを議論する政治的な存在、市民としても立ち表れている。第一次世界大戦前と比べても、女性たちの国際的な繋がりはさらに広がっているように見受けられた。これについては、今後、さらに研究していきたい。 平成29年度は、本研究の最終年度という位置づけから、戦間期の大英帝国における女性のジェンダー役割を明らかにするということに焦点をあてた。具体的には、ロンドンで資料収集を行い、大英図書館や公文書館で当時の新聞雑誌や公文書にあたり、その検証を行った。また、成果発表のための原稿を書き進めた。
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