2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病食事療法における最も効果のある炭水化物量の決定
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26870556
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
深津 章子 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (10709778)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炭水化物 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 食後高血糖 / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
【昨年までの研究実績】1年目の研究において、低炭水化物食は標準炭水化物食に比して、セカンドミール後の血糖を上昇させることを明らかにした。これは、炭水化物を減ずることにより相対的に増加した脂質の影響ではないかと推測した。 【目的】本年度は、食事摂取後の血清インスリン、遊離脂肪酸、中性脂肪、ケトン体の測定を追加して、その機序を明らかにすることを目的とした。 【方法】試験食として、1年目と同じ高脂質低炭水化物(C 30%、F 45%)の他に標準脂質の低炭水化物食(C 30%、F 25%)を設定し、標準炭水化物食(C 60%、F 25%)と比較した。 健常な女性10名を対象とした。早朝に試験食を、昼食に共通のセカンドミールを摂取する前後に血糖、血清インスリン、遊離脂肪酸、中性脂肪、ケトン体濃度を測定した。 【結果】セカンドミール後の血糖曲線下面積では、低炭水化物高脂質食は標準炭水化物食に比べ高値、低炭水化物標準脂質食は低値であった。セカンドミール後の血清インスリンは、標準炭水化物食に比し低炭水化物高脂質食で高値、低炭水化物標準脂質食で低値だった。低炭水化物高脂質食のセカンドミール前後の遊離脂肪酸は他2食に比し有意に高かった。セカンドミール前のケトン体は、低炭水化物の2食が標準炭水化物に比べて高値を示したが、特に高脂質の低炭水化物食が高い傾向を示した。また、セカンドミール摂取後120分においても、低炭水化物のケトン体は高値を示した。 【結論】高脂質の低炭水化物食はセカンドミール前の血中遊離脂肪酸濃度を増加させることでインスリン感受性を悪化させた。ケトン体への影響もセカンドミール後まで持続することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会審査および被験者へのインフォームドコンセントを経て、安全に確実に研究を遂行することができた。 低炭水化物食が次の食事でインスリン抵抗性を惹起すること、および、その原因が相対的に増加した脂質摂取量によるものであるという重要な成果を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
炭水化物量を制限することにより相対的に増加した脂質摂取は、次の食事のインスリン抵抗性を引き起こすことを明らかにした。 脂質量を調整した低炭水化物食であれば、食事療法の安全性が高まるのかを評価するために、これを継続的に摂取する影響を調べる予定である。
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Causes of Carryover |
1年目の研究において、食事療法の影響を評価する検査方法の種類を予定と変更したため、使用額が少なくなった。2年目は、予定通り使用することができたが、1年目の残額が持ち越されている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3年目の実験規模を大きくして、全ての交付金を研究に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)